トルコ学の対象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 07:46 UTC 版)
通常、トルコ人(英: Turk)という言葉には二つの意味がある。狭い意味ではトルコ共和国のトルコ語話者のことである(便宜上、英: Turkishなどと表記される)。広い意味ではチュルク語族に属する言語を話すすべての人を指す(テュルク系民族、英: Turkicなどと表記される)。ただしこれは過去数十年といった単位での比較的新しい考え方であり、かつてはTurkishに相当する語でチュルク諸語もしくはテュルク諸民族をも指していた。トルコ学が実際には広くテュルク系民族を対象としているにもかかわらず、テュルク学(TurkicologyもしくはTurkic studies)と呼ばれていないのはこの名残である。 テュルク系民族の地理的範囲は、移住によってここ数十年で大幅に拡大したが、それ以前でも東は中華人民共和国から西は東南ヨーロッパ、北はロシア(シベリア)から南は中東の国々にまで及んでいた。 トルコ語圏のすべての国、民族グループ、少数民族の人口は現在、少なくとも3億人に達する。 1980年代、ユネスコは、第2言語または第3言語としてチュルク語族を話す人々の数を加味すればチュルク語話者は約2億人と推定した。今日、人口の増加により、より多くの数を推定できる。が、トルコ語話者とトルコ民族とは必ずしも一致しない(テュルク系民族を参照)。最古の文献は西暦600年から800年ごろの物である。 さまざまなテュルク系の人々がさまざまな宗教に属している。最も重要な宗教には、イスラム教、キリスト教、仏教、ユダヤ教、先住民の宗教などがある。マニ教も歴史的に大きな役割を果たした。 現在のテュルク系の人々の大多数はイスラム教徒、特にスンニ派である。仏教徒の集団としてはユグル族とトゥバ人がある。チュヴァシ人とガガウズ人はキリスト教を主たる信仰としている。クリミア・カライム人はカライ派ユダヤ教徒である。 トルコ学の主な研究対象は、トルコ共和国、オスマン帝国、テュルク諸国(ドイツ語版)、中央アジアである。
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