トラック・クレーンとは? わかりやすく解説

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トラック‐クレーン【truck crane】

読み方:とらっくくれーん

クレーン装備した貨物自動車移動式クレーン一種荷台があり貨物積載して運搬できるもの(ユニック車)と、荷台はなく道路走行用とクレーン操作用の運転室別個に設けられているものがある。後者のみをトラッククレーンと呼ぶこともある。多軸駆動・多軸操舵機構装備し整地されていない斜面での走行性や狭い場所での機動性優れたオールテレーンクレーンもトラッククレーンに分類される

[補説] ユニック車貨物自動車(1ナンバー・4ナンバー)、それ以外のトラッククレーンは特種用途自動車8ナンバー)に分類される


トラック・クレーン

トラック・クレーン 緒元性能
全長

10.520~11.010mm(走行時)

全幅

2.490mm

全高 3.420~3.450mm(走行時)
車両総重量

23.450~26.700kg

最高速度 49km/h
登板能力 30°
クレーン揚程 ブーム 8.5~30.6m
シブ 7.4~12.0m
製作 タダノ コベルコ建機
備考  

主として揚重杭打ちなどの作業を行う。油圧式クレーンであり、運転席においてクレーン操作走行操作ができる。特に、最小回転半径が4.7~5.4mと小さいため、狭隘地での作業適する。機械式クレーン代わる器材として各施設部隊装備されている。


トラッククレーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/04 03:40 UTC 版)

クレーン > 移動式クレーン > トラッククレーン
トラッククレーン

トラッククレーン(Truck crane)は、市販のトラックシャシまたは専用のシャシにクレーンを架装させた移動式クレーン(クレーン車)である。陸上自衛隊のトラッククレーンについても本稿で述べる。

歴史と遷移

1955年、国産初の油圧式トラッククレーンOC-2型が完成。初期は、汎用トラックシャシにクレーン部を架装した5-10t吊りクレーンが主流。1960年代後半からは、車両メーカーと共同開発したクレーン専用シャシにクレーン部を架装して、大型化が進んだ。[1]

解説

トラッククレーンは、トラックシャシ運転席クレーンブームおよび制御部、荷台を持つものと、シャシと運転席、クレーンブーム・運転台および旋回部を持ち荷台を持たないものに分けられる。荷台を持たないトラックにクレーン装置を組み付けたものを「汎用クレーン」とも呼ぶ。他のトラックと同様の走行性能があり、走行条件などの制約は他のホイールクレーンに比べて少ない。また、荷台と運転席の間に組み付けるタイプのクレーンは「キャブバッククレーン」と呼び、代表的なメーカーのブランドから「ユニック」と呼ぶことが多い。汎用クレーンとトラック搭載クレーンは操作免許の関係上、2.9t吊と4.9t吊が多いが、汎用クレーンには20t吊りのものもわずかだが販売されている。

上記の他に、車体強度を上げた専用シャーシの後部にクレーンを架装したものもある。こちらも「トラッククレーン」だが、日本国内では以下に述べる「ラフテレーンクレーン」と「オールテレーンクレーン」に置き換わりつつある。

ラフテレーンクレーンは、その名が示す通り、もともとは不整地の走行にも対応できるホイールクレーン。車両の走行とクレーンの操作を一つの運転席で行う。日本では2軸(4輪)駆動が多い。走行速度は49km/hに制限されている。

オールテレーンクレーンは、3軸(6輪)以上の台車にクレーン装置を組み付けたもので、走行とクレーン操作は別の運転席で行う。その名の通り全地形の走行に対応できる。安定性に優れ、高所への荷物の吊り上げに適している。

総重量8t以上の大型自動車に該当する車両で荷台を有する車両は90km/hリミッターの装着が義務化されているため、最高速度は90km/hに規制されている。

現在はトラッククレーンの需要は減りつつあり、専用シャーシを生産していた各社は事実上生産を中止している。しかし、ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンと異なり、高速道路を走行できることや、走行中のキャビンの居住性が高いことなどから、市販のトラックをベース車とするトラッククレーンの製造は継続している。また、車格が4トントラックに相当するラフテレーンクレーンよりもさらに小回りの利く2トントラックベースのトラッククレーンも製造されている。

陸上自衛隊のトラッククレーン

陸上自衛隊のトラッククレーン

陸上自衛隊のトラッククレーンは主に施設科に配備される装備である。民間のトラッククレーンは運転席と操作室が別々のものを指すが、陸上自衛隊では運転席と操作室が同一で、作業時に乗り換える必要のないラフテレーンクレーンと呼ばれるタイプのクレーンも、全てトラッククレーンと呼称する。

災害派遣はもとより、戦闘行動に伴う築城作業などにも使用される。20t~25tクラスでは、車体長が抑えられ、最小回転半径が小さいラフテレンクレーンタイプのものが適しており、狭隘地での作業も多い演習場での使用に威力を発揮する。一方で大型の50t、60tクラスのクレーン車はラフテレンクレーンの車体の小ささがデメリットとなるため、未だトラッククレーンが主流である。製造メーカーは国内のものがほとんどであるが、60tクラスのトラッククレーンではドイツ・ファウン社製大型クレーン車の導入実績がある。

諸元

  • 全長:10,520mm
  • 全高:3,420mm
  • 全幅:2,490mm
  • 総重量:23,540kg
  • 陸上自衛隊のトラッククレーン(ラフテレンクレーン型)
    最小回転半径:4.7m
  • 最高速度:49km/h
  • 登坂能力:30°
  • クレーン移動範囲:8.5m-30.6m(ブーム)、7.4m-12.0m(ジブ)

※諸元は一例。多数のバリエーションあり。

特徴

くい打ち、吊り上げなどなんでもこなす。機械式クレーンに代わり、施設科などで活躍している。最小回転半径が5m未満という、重機にしては小回りがきくことも特徴のひとつであるが、これは四輪操舵によるところが大きい。

製作

脚注

出典

参考文献

  • 土井一三、石田定文「ラフテレーン、オールテレーンの技術動向」『建設機械』1996年12月、13-19頁。 

関連項目

外部リンク


トラッククレーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 07:59 UTC 版)

ウラル-375D」の記事における「トラッククレーン」の解説

8T-200, 8T-210, 9T-31など。

※この「トラッククレーン」の解説は、「ウラル-375D」の解説の一部です。
「トラッククレーン」を含む「ウラル-375D」の記事については、「ウラル-375D」の概要を参照ください。

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