トスカニーニの録音・映像記録
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「NBC交響楽団」の記事における「トスカニーニの録音・映像記録」の解説
1937年当時トスカニーニの録音は意外と少なかった。彼はミラノ・スカラ座の音楽監督(1898年-1903年、1906年-1908年、1921年-1929年)、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の首席指揮者(1908年-1915年)、ニューヨーク・フィルハーモニックの常任指揮者(1926年-1936年)の要職を歴任、その他客演としてはバイロイト音楽祭(1930年-1931年)、ザルツブルク音楽祭(1935年-1937年)でもタクトを振るっている。 これに対して、NBC交響楽団との17年の共演は作曲家総数107に及び、ヴィヴァルディからバーバーの最新作『弦楽のためのアダージョ』(1938年11月5日、トスカニーニとNBC響の放送が世界初演)に至るまでのトスカニーニの主要レパートリーを網羅しており、音質的にも愛聴に耐えるレベルである。彼のレパートリーのもう一つの柱であったオペラでは演奏会形式での少数の録音しかないが、トスカニーニを知るにはこのNBC響との録音は避けて通れない一級資料である。 またNBC響は、トスカニーニの映像記録も残した。1948年3月20日午後6時30分からNBCが公演をテレビ生中継したのがその最初である。実はこの時NBCは「世界初のコンサート・ライブ中継」を企てていたが、ライヴァル局CBSがそれを出し抜き、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団のライブを同日午後5時から放映したことで、世界初の栄冠は逸している。最終的には9回のコンサートが生中継され、それらはトスカニーニの指揮ぶりを知る数少ない資料のひとつとなっている。
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