デモの非暴力と暴力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:20 UTC 版)
一般にデモは非暴力による有効な戦略の一つであると考えられている。しかし時にそのデモはエスカレートし、国旗を燃やしたり、周りにあるものを壊したりなどの暴力的な手段に発展することがある。場合によってはデモの主張とは関係のない、ただ暴れたいだけの暴徒までが寄って来て収拾がつかなくなる。 そのような参加者らが暴徒と化した場合、警察などが出動し、例えば参加者に対する放水や催涙ガス・ゴム弾といった非致死性の武器を使って鎮圧を試みようとする。こういった状況は、デモ参加者との応酬に発展する場合もあるほか、非殺傷性武器を使ってなお、至近距離弾で死傷者も出すなど熾烈さも増し、非暴力のデモ行進から暴動に発展する事態を、デモ計画者側が警戒する場合もある。 なお警察側にしても、鎮圧のために死傷者が発生するのは本意ではなく、高圧放水銃や非殺傷性の音響兵器のような装備の利用を行うケースも見られる。 またデモ側が非暴力であったとしても、国策の遂行に反対するデモなどは、国家によっては無条件に武力で鎮圧される場合があり、その際その国の治安維持部隊は、強権的な手段に訴えることもある。過去の例としては完全非暴力を掲げながら銃火にさらされたインドの塩の行進や、デモに参加した労働者らに向け無差別発砲の起こったロシアの血の日曜日事件、アパルトヘイト政策であるパス法に反対する群衆に発砲を行ったシャープビル虐殺事件、民主化を求め天安門広場を座り込みで占拠した学生らを武力弾圧した中国の天安門事件、最近では香港において逃亡犯条例の議会通過を阻止するべく香港の立法会周辺に集まった学生や一般市民などに対し警察が発砲した事件などがある。
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