デハ63100形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 09:27 UTC 版)
「国鉄デハ63100系電車」の記事における「デハ63100形」の解説
本系列の基幹形式である片運転台式の三等制御電動車である。1924年(大正13年)から1926年(大正15年)にかけて123両が製造された。また、1925年製の4両(63128 - 63131)は、関東大震災によって焼失した未成車の台枠を再用しており、その他にも中幅・狭幅車の台枠を再用したものがある。特に短形車の台枠を再用したものについては、オーバーハングが長く、後述する鋼体化改造後も識別ができたという。本形式の製造の状況は、次のとおりである。 1924年(28両)63100 - 63127 : 日本車輌製造本社(28両) 1925年(59両)63128 - 63148 : 汽車製造東京支店(21両) 63149 - 63168 : 日本車輌製造東京支店(20両) 63169 - 63186 : 日本車輌製造本社(18両) 1926年(36両)63187 - 63211 : 日本車輌製造東京支店(25両) 63212 - 63222 : 汽車製造東京支店(11両) 上記のうち1924年製の28両については、1925年製以降の量産車と形態が大きく異なっていた。これらは、量産車と同じ3扉車であるが、側面窓配置が異なっており、量産車がd1D121D121D2であるのに対し、d2D121D121D2で、扉幅も量産車の1100mmに対して910mmであった。しかしながら、デハ63100形の前級であるデハ33500形では、すでに扉幅1,100mmが採用されており、本形式であえて910mmを採用したことは、不思議というほかない。この28両は、910mm幅の扉が災いして、旅客の乗降に円滑を欠き、早期に非旅客用車(郵便荷物車、荷物車)への転用がなされることとなった。 1925年製以降の量産車については、付随車であるサハ33550形に運転台を付加した構造である。意外ではあるが、国有鉄道において、制御電動車と付随車に同じ寸法の車体が採用されたのは、これが初めてである。
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