デノミ実施以降
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 20:09 UTC 版)
1998年1月には、長く続いた急激なインフレや前年のアジア通貨危機の影響を受けて、通貨価値が低下したものの、それらの影響が収束したとして、1000分の1のデノミ(0を3つ取るデノミ)が行われ、その準備として、1997年に500・100・50・10・5ルーブル紙幣が発行された。デノミによる混乱をできるだけ避けるために、デザインは従来の同価値の紙幣と全く同一となっている。従来は紙幣が発行されていた1000ルーブルは、インフレによる価値低下で新1ルーブル硬貨として発行されることになった。50・10・5・1カペイカ硬貨も発行され、久々のカペイカ単位の貨幣の復活となった。硬貨は後に5ルーブルと2ルーブルも発行されている。 しかし、長らくかつてのような通貨価値を回復したとは言えず、ロシア国内においてもドル決済やユーロ決済の方に信用が行くという皮肉な事態が発生していたが、近年のロシア経済の好調により通貨としての信用を回復しつつある。2005年2月より、USドルとユーロを組み合わせた通貨バスケットを導入しており、2007年2月13日に0.60USドル+0.40ユーロから0.55USドル+0.45ユーロに変更した。2005年からはルーブルのロシア国外持ち出し規制が撤廃されている。 2001年には1,000ルーブル紙幣が発行された。また、2004年には偽造対策を強化した1997年シリーズ2004年版が発行された。この時から5ルーブルは硬貨に変更された。2006年には、当時の為替レートでは日本円で20,000円を超える5,000ルーブル紙幣が発行された。以前ならインフレの象徴とされた高額紙幣の新規発行も、今や好調なロシア経済の証となっている。なお、これらの紙幣は実際の発行年とは無関係に「1997」と記されている。 2009年10月より10ルーブル硬貨が新たに発行された。また、2010年から高額紙幣の5000.1000.500ルーブル札が、より偽造対策が強化された1997年シリーズ2010年版に改刷された。
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