テンソルの縮約とは? わかりやすく解説

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テンソルの縮約

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/18 06:48 UTC 版)

多重線型代数学におけるテンソルの縮約(テンソルのしゅくやく、: tensor contraction)は、有限次元ベクトル空間とその双対空間の間の自然な内積から生じる、一つ以上のテンソルに対する演算である。座標を取って考えれば、一つの式に現れる各々の仮添字 (dummy index) の対に対して和の規約を適用することによって生じる、スカラー成分の積和として縮約は表される。特に一つの混合テンソル英語版の縮約は、そのテンソルに現れる見かけの添字の対(一方は上付き、他方は下付き)が同じ文字であるとき、それらに関して和をとることで生じる。アインシュタインの縮約記法とは、このような和を織り込み済みとする記法である。縮約を取って得られるテンソルは階数 (order) が 2 だけ減る 。

テンソルの縮約をトレースの一般化として捉えることもできる。

抽象的な定式化

k 上のベクトル空間 V に対して、縮約の要となる最も単純な場合は、V とその双対 V との自然内積 (pairing) を考えることである。自然な内積は、fV, vV に対して f, v⟩ = f(v) と置いて得られる双線型写像に対応する、テンソル積からの線型写像

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テンソルの縮約

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/19 10:45 UTC 版)

二項積」の記事における「テンソルの縮約」の解説

詳細は「テンソル縮約」を参照 二項積基本ベクトル展開してベクトル併置点乗積置き換えれば、蹟 (spur) あるいは展開因子 (expansion factor) が得られる。 | A | = A 11 i ⋅ i + A 12 i ⋅ j + A 13 i ⋅ k + A 21 j ⋅ i + A 22 j ⋅ j + A 23 j ⋅ k + A 31 k ⋅ i + A 32 k ⋅ j + A 33 k ⋅ k = A 11 + A 22 + A 33 . {\displaystyle {\begin{aligned}|\mathbf {A} |&=\quad A_{11}\,\mathbf {i\cdot i} +A_{12}\,\mathbf {i\cdot j} +A_{13}\,\mathbf {i\cdot k} \\&\quad +A_{21}\,\mathbf {j\cdot i} +A_{22}\,\mathbf {j\cdot j} +A_{23}\,\mathbf {j\cdot k} \\&\quad +A_{31}\mathbf {k\cdot i} +A_{32}\mathbf {k\cdot j} +A_{33}\mathbf {k\cdot k} \\&=A_{11}+A_{22}+A_{33}.\end{aligned}}} この二項積縮約アインシュタインの和の規約に従って添字記法書けば | A | = A i i . {\displaystyle |\mathbf {A} |=A_{i}{}^{i}.} また三次元の場合限られるが、併置クロス積交叉積)で置き換えれば回転因子 (rotation factor) が得られる: ⟨ A ⟩ = A 11 i × i + A 12 i × j + A 31 i × k + A 21 j × i + A 22 j × j + A 23 j × k + A 31 k × i + A 32 k × j + A 33 k × k = A 12 kA 31 j − A 21 k + A 23 i + A 31 j − A 32 i = ( A 23A 32 ) i + ( A 31A 13 ) j + ( A 12A 21 ) k . {\displaystyle {\begin{aligned}\langle \mathbf {A} \rangle &=\quad A_{11}\,\mathbf {i} \times \mathbf {i} +A_{12}\,\mathbf {i} \times \mathbf {j} +A_{31}\,\mathbf {i} \times \mathbf {k} \\&\quad +A_{21}\,\mathbf {j} \times \mathbf {i} +A_{22}\,\mathbf {j} \times \mathbf {j} +A_{23}\,\mathbf {j} \times \mathbf {k} \\&\quad +A_{31}\mathbf {k} \times \mathbf {i} +A_{32}\mathbf {k} \times \mathbf {j} +A_{33}\mathbf {k} \times \mathbf {k} \\&=\quad A_{12}\mathbf {k} -A_{31}\mathbf {j} -A_{21}\mathbf {k} \\&\quad +A_{23}\,\mathbf {i} \,+A_{31}\mathbf {j} -A_{32}\mathbf {i} \\&=(A_{23}-A_{32})\mathbf {i} +(A_{31}-A_{13})\mathbf {j} +(A_{12}-A_{21})\mathbf {k} .\end{aligned}}} A のこの縮約レヴィ–チヴィタテンソルで書けば: ⟨ A ⟩ = ϵ i j k A j k . {\displaystyle \langle \mathbf {A} \rangle ={\epsilon _{i}}^{jk}A_{jk}.}

※この「テンソルの縮約」の解説は、「二項積」の解説の一部です。
「テンソルの縮約」を含む「二項積」の記事については、「二項積」の概要を参照ください。

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