二項積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/19 10:45 UTC 版)
Jump to navigation Jump to search多重線型代数学における二項積(にこうせき、英: dyadic)あるいは二項テンソル (dyadic tensor) は、二つのベクトルのある種の積として得られる二階テンソルである。二項積はしばしば二つのベクトルを併置することで表され、しかしその振舞いは行列に対応する法則に従う。二項積に関する用語や概念は今日では比較的時代遅れのものであるが、連続体力学や電磁気学などの物理学において引き続き用例がある。
二項積の記法を確立した最初の人はジョサイア・ウィラード・ギブスで1884年の事である。
(本項では、大文字太字は二項積、小文字太字はベクトルを表すものとする。別な表記法として二項積およびベクトルのそれぞれに二重および一重の上付きまたは下付きのバーを付けるものがある。)
目次
定義と用語法
二項積・外積・テンソル積
二項積テンソル、単純二項積あるいは単に二項積 (dyad; ダイアド) は二つの(一般には複素係数の)ベクトルに二項積を施した結果として得られる二次の二階テンソルである。一般に二次のテンソルを総称して二項積(dyadic) と呼ぶ。
同じ積を表すのにいくつか用語法と記法が存在する:
- 二項積 (dyadic product)
- ベクトル a, b の二項積はこれらを併置した ab で表される。
- 外積(直積) (outer product)
- 列ベクトル a, b の外積は a ⊗ b あるいは ab⊤ で表される("⊤" は転置である)。
- テンソル積 (tensor product)
- ベクトル a, b のテンソル積は a ⊗ b で表される。
本項で扱う文脈においてこれらは互いに同じものを定める同義語であるが、テンソル積はより一般の対象に対してより抽象的な意味でも用いられることに注意すべきである。また「外積」(outer product) は全く別の概念である交叉積やより抽象的な楔積に対しても用いられる。
三次元ユークリッド空間の場合
これらの語法の等価性を見るために、三次元のユークリッド空間を例に取ろう。i, j, k(あるいは e1, e2, e3)を基本ベクトルとして、二つのベクトル
二項積 (dyadic product)
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「二項積」の記事における「二項積 (dyadic product)」の解説
ベクトル a, b の二項積はこれらを併置した ab で表される。
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