テンソルの外積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:35 UTC 版)
「直積 (ベクトル)」の記事における「テンソルの外積」の解説
テンソルに対する外積はふつうテンソル積と呼ばれる。テンソル a は階数 q で各次元 (i1, …, iq), b は階数 r で各次元が (j1, …, jr) とすれば、これらの外積 c は階数 q + r で各次元 (k1, …, kq+r) は先に i の次元を並べた後に j の次元を並べたものになる。これを ⊗ を用いた座標に依存しない表記で書き、その成分を添字表記で書けば c = a ⊗ b , c i j = a i b j {\displaystyle {\boldsymbol {c}}={\boldsymbol {a}}\otimes {\boldsymbol {b}},\quad c_{ij}=a_{i}b_{j}} となる。高階テンソルの場合も同様で、例えば T = a ⊗ b ⊗ c , T i j k = a i b j c k {\displaystyle {\boldsymbol {T}}={\boldsymbol {a}}\otimes {\boldsymbol {b}}\otimes {\boldsymbol {c}},\quad T_{ijk}=a_{i}b_{j}c_{k}} などと書ける。 例えば A が三階で各次元が (3, 5, 7), B が二階で各次元が (10, 100) ならば、それらの外積 C は五階で各次元は (3, 5, 7, 10, 100) となる。また例えば A の成分 a2,2,4 = 11 および B の成分 b8,88 = 13 に対応する外積 C の成分として c2,2,4,8,88 = 11*13 = 143 が決まる。 外積の行列としての定義をテンソル積の言葉で理解するには: ベクトル v は一階の M-次元テンソルとして解釈できる。同様に u が一階の N-次元テンソルである。これらのテンソル積の結果は二階の (M, N)-テンソルになる。 q-階および r-階の二つのテンソルの内積の結果は、階数が q + r − 2 または 0 の大きい方になる。二つの行列の内積は二つのベクトルの外積(テンソル積)と階数が一致する。 テンソルの構造を変えることなくテンソルの先頭または末尾にひとつずついくらでも次元を追加することができる。降れら追加された次元によってテンソルに対する演算の型も変わるため、得られる式の間の同値性は明示的に述べる必要がある。 ふたつの行列 V は次元 (d, e), U は次元 (e, f) とするとこれらの内積は ∑ j = 1 e V i j U j k ( i = 1 , 2 , … , d k = 1 , 2 , … , f ) {\displaystyle \sum _{j=1}^{e}V_{ij}U_{jk}\quad \left({i=1,2,\ldots ,d \atop k=1,2,\ldots ,f}\right)} である。e = 1 の場合にはこの和は自明である(一つの項しかない)。 次元 (m, n)の行列 V と次元 (p, q) の行列 U の外積は C s t = V i j U h k , ( s = 1 , 2 , … , m p − 1 , m p t = 1 , 2 , … , n q − 1 , n q ) {\displaystyle C_{st}=V_{ij}U_{hk},\quad \left({s=1,2,\ldots ,mp-1,mp \atop t=1,2,\ldots ,nq-1,nq}\right)}
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