テレビスタジオにおける副調整室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 08:19 UTC 版)
「副調整室」の記事における「テレビスタジオにおける副調整室」の解説
テレビスタジオの副調整室では、ディレクター、照明、音声などのスタッフが詰め、撮影場所(スタジオのうち「フロア」と呼ばれる部分)に置かれた複数のカメラからの映像を一括して受け取り、それを切り替えつつ、録画のための仮編集、あるいは生放送のための仕上げ作業を行う。 かつて、テレビスタジオの副調整室は、フロアより1つ上の階のフロアと隣接した場所に設けられ、フロア全体を見渡せるよう、副調整室からフロアを眺める窓がついていることが通例とされていた。しかし、現在では、番組制作用機器の増加などにより、物理的に窓を置かないケースや、副調整室をフロアと同じ階に置くケース、もしくはフロアと隣接させず離れた場所に設置するということも多くなっている。逆にスタジオと副調整室の間に壁を設けない(日本テレビのマイスタジオなど)といった特殊な例もある。 副調整室は各カメラから送られてくる映像や各マイクロフォンから送られてくる音声を視聴し、フロアに居るフロアディレクターや各カメラマン・音声・照明担当者などから報告を受けてフロアの状況を判断する。フロアから副調整室への報告あるいは副調整室からフロアへの指示には、インカムが用いられる。報道番組などでは、別途、ディレクターなどから出演者に直接指示を出すための回線が用意され、各出演者はイヤホンによりディレクターから直接指示を受けることもある。 テレビ番組制作には多くの高価な番組制作用機器が必要となることから、かつて地方放送局では通常、最低限の機材のみを常置、規模の大きな番組制作を行う場合には、不足分を補うため、テレビ中継車などを連結して用いるといったことがなされていた(カラー放送移行の頃に多くおこなわれているほか、移転前の岩手めんこいテレビの水沢スタジオの事例もあり)。近年でも地デジ化対応のため、HD未対応のサブを持つスタジオに、HD対応の中継車を併結することによって、HD番組を制作するといった事例がある。しかしかつてのカラー放送移行の頃とは異なり地デジ化対応では逆に、まず演奏所(スタジオ)の設備を先行してHD対応させ、HD番組の制作を可能とし、中継放送については外部技術会社のHD中継車をレンタル使用して当座対応させるといった事例の方が多い(中継車についても地方局では報道対応の小型中継車を優先して更新し、予算のめどが立ったところで中型・大型の中継車もHD対応に更新させるのが一般的である)。 1980年代中盤以降は、副調整室をスタジオ代わりに収録するテレビ番組も登場した。日本テレビでは1990年代まで、番組宣伝のミニ番組を副調整室から放送していた。
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