チャルディーニの再評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 15:13 UTC 版)
「エンリコ・チャルディーニ」の記事における「チャルディーニの再評価」の解説
イタリア統一以後、20世紀後半に至るまでの長い間、エンリコ・チャルディーニはパレストロの戦いやカステルフィダルドの戦い(英語版)、ガエータ攻略(英語版)やアスプロモンテの戦いなど数々の戦闘での勝利への貢献、および統一政府の脅威となった山賊への取り締まりなどの通じてリソルジメントの英雄の一人として認識されていた。 一方で21世紀に入るとチャルディーニの人物像の再検討が始まり、特にポンテランドルフォとカザルドゥーニの事件(イタリア語版)についての批判が高まっている。事件の舞台となったベネヴェント県ポンテランドルフォはチャルディーニが一般市民に対して行った虐殺の詳細が明らかになると国家的に注目を集めた。 またイタリアには広場や通りに偉人の名前を付ける慣習があり、イタリア統一から数十年にかけてはリソルジメントの英雄の一人としてチャルディーニに因んだ名前を付けることがイタリア全国各地で相次いだ。また胸像の設置や、名誉市民への認定など類似した現象も各都市で起きている。しかし21世紀にチャルディーニの認識が変化すると、彼に因んだ名前が削除もしくは修正される例が相次いだ。代表的なものはヴェネツィア、パレルモなどがある。 チャルディーニが活躍した南イタリアの中心都市ナポリでも同様の動きがある。ナポリ市議会は2016年商工会議所に設置されたチャルディーニの胸像を撤去するとともに、翌2017年には「チャルディーニ将軍が我々の領土と南イタリアで行った虐殺の犠牲者の歴史的記憶を認める行為」としてチャルディーニに与えていた名誉市民の称号を抹消することを決定している。
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