タイムリープ
タイムリープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/22 07:50 UTC 版)
タイムリープ(和製英語:time leap)は、日本語に直訳すると「時間跳躍」となる。和製英語で『時をかける少女』で登場した造語。
概要
用語としての「タイムリープ」は先述したように1968年の小説『時をかける少女』で登場し、同作では自分自身が意識・身体とも時空を移動することを意味する「タイムトラベル」と定義していた。つまり個人の超能力での時間跳躍がそれに当たる。後年に登場した作品でも個人の能力によって行っている物を指している事が多く、『幻魔大戦』や『タイムリーパー』等がそれに当たる。
更に1995年の小説『タイム・リープ あしたはきのう』において登場したタイムリープは、「自分自身の意識だけが時空を移動し、過去や未来の自分の身体にその意識が乗り移る」というものであった。この意味における「タイムリープ」では、自分自身が産まれてから死ぬまでの時間が過去や未来への移動範囲の限界となる。また、同一時空に同一人物が2人以上存在する矛盾も発生しない。
ただし、一部の作品においては「タイムトラベル」と同じ意味で「タイムリープ」と表現されているものもある。なお、「自身を中心とした量子的観測」や「並行世界(パラレルワールド)や世界線」の概念を含む場合、変化が生じる未来跳躍と同様に必ずしも時間軸をそのまま巻き戻すように逆行するとは限らず、逆行後の時間軸からそれより過去に関してタイムリープ前とは部分的な差異が生じている世界の自分に乗り移るというパラドックス描写を取るケースも存在する。
タイムリープが登場する作品
小説
- 時をかける少女 - 日本におけるタイムリープ作品として、もっとも著名な作品。
- タイム・リープ あしたはきのう - - 作中でタイムトラベルとタイムリープの違いを明確に定義した作品。
- 紺碧の艦隊、旭日の艦隊 - 架空戦記ブームの先駆けとなった作品。主人公サイドの殆どの登場人物だけではなく、一般国民の大半が作中でタイムリープを果たし、国家規模での歴史改変を目指す。
ゲーム
- ひぐらしのなく頃にシリーズ - 幾重にも張り巡らされた複合的な悲劇的舞台設定(「封建的な村社会の悪癖および全てを牛耳る旧家の悪しき因習」「ダム開発の賛否を巡って分断された住民間の深い遺恨」「制御不可能な殺意が撃発する風土病に翻弄されるパンデミック・パニック要素」「同風土病を細菌兵器として軍事転用する事を目論む超法規的謀略機関の暗躍を描いたポリティカル・フィクション要素」「弱者への尊厳を持たない残虐な性格の高次元生物(タイムリープの張本人)による戯れを描いたダーク・ファンタジー要素」「主要登場人物の個々の家庭事情・PTSD(同居家族である叔父(反社出身)からのDV、実母が略奪婚され家庭崩壊(実父は結婚詐欺被害に遭遇中)、家族の失踪および昏睡、前述風土病研究が元で医学会より除け者にされ憤死に至った義父)」「主要登場人物間の人生観の擦れ違い(共依存関係にありながら進学先である名門校でのスクール・カースト乖離、純愛と栄達欲・医学知識探求欲の葛藤)」)の中で、(普段はジュブナイル作風の)ほのぼのとした少年少女(主人公グループ)の日常が続くも、やがて凄惨な事件が発生する度に発生前へのタイムリープが繰り返される。タイムリープ前の記憶・経験を積んだ主人公たちは知恵・勇気を振り絞り、思索を巡らし時には流血も厭わない死闘に身を投じながら、数々の悲劇の回避に挑み続ける。
- イースVIII - 厳密には、自分の意識を自ら封印することで、未来へと時間移動している。
- STEINS;GATE
- できない私が、くり返す。 - タイムリープを駆使し、変えられない未来を変えようとする作品。
漫画
- 東京卍リベンジャーズ - 和久井健の漫画。
- 代紋TAKE2 - 任侠社会で最下層に近い存在だった主人公が、過去に戻り成り上がる。
- JKからやり直すシルバープラン - 学生時代にて才色兼備だが人格面に問題を抱え、高齢になってから赤貧に喘ぎつつ自らの半生での過ちに気付いた女性が過去に戻り人生改変を目指す。
- 1日脱出録ハンチョウ 〜day dream believer〜 - 本伝作品「1日外出録ハンチョウ」第33話のその後が描かれており、その1日(友人関係にある地下労働施設監視責任者宅でのひと時)を何回も繰り返される主人公の苦悩と葛藤が描かれた外伝作品(単行本 第5巻 収録)。
アニメ
- 長編アニメーション映画うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー - 「今の生活をずっと続けていたい」というヒロインの願いに応えて妖怪が創り出した(タイムリープ風)夢に翻弄され続ける主要登場人物達を描いている。
ドラマ
- プロポーズ大作戦 (テレビドラマ) - 長澤まさみ、山下智久主演の月9ドラマ。
映画
- バス男(ナポレオン・ダイナマイト) - タイムリープ出来ると謳われたインチキ商品に騙され通販購入した主人公の叔父が、ハイスクール時代のアメフト試合出場・人生改変を目論むエピソードが登場する。
脚注
関連項目
タイムリープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:16 UTC 版)
「STEINS;GATEの用語一覧」の記事における「タイムリープ」の解説
本作では、記憶のみを過去に送ることをタイムリープと呼び、タイムマシンで物をそのままタイムトラベルさせるのと区別している。『CHAOS;HEAD』に登場したVR技術(ヴィジュアル・リビルディング。人間の記憶や感覚の読み書きが可能なヴィクトル・コンドリア大学精神生理学研究所の特許技術。理論上は人工衛星から地上の人間に対しても可能)を電話レンジ(仮)とLHCに応用して、過去の携帯電話に向けて通話用電波として発信する。記憶の神経パルス信号だけではなく脳が記憶を思い出すトップダウン記憶検索信号も送ることで、過去の自分が未来の記憶を思い出すという形になる。
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