タイムリープ
タイムリープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 05:05 UTC 版)
タイムリープ(和製英語:time leap)は、日本語に直訳すると「時間跳躍」となる。和製英語で『時をかける少女』で登場した造語。
概要
用語としての「タイムリープ」は先述したように1968年の小説『時をかける少女』で登場し、同作では自分自身が意識・身体とも時空を移動することを意味する「タイムトラベル」と定義していた。つまり個人の超能力での時間跳躍がそれに当たる。後年に登場した作品でも個人の能力によって行っている物を指している事が多く、『幻魔大戦』や『タイムリーパー』等がそれに当たる。
更に1995年の小説『タイム・リープ あしたはきのう』において登場したタイムリープは、「自分自身の意識だけが時空を移動し、過去や未来の自分の身体にその意識が乗り移る」というものであった。この意味における「タイムリープ」では、自分自身が産まれてから死ぬまでの時間が過去や未来への移動範囲の限界となる。また、同一時空に同一人物が2人以上存在する矛盾も発生しない。
ただし、一部の作品においては「タイムトラベル」と同じ意味で「タイムリープ」と表現されているものもある。なお、「自身を中心とした量子的観測」や「並行世界(パラレルワールド)や世界線」の概念を含む場合、変化が生じる未来跳躍と同様に必ずしも時間軸をそのまま巻き戻すように逆行するとは限らず、逆行後の時間軸からそれより過去に関してタイムリープ前とは部分的な差異が生じている世界の自分に乗り移るというパラドックス描写を取るケースも存在する。
タイムリープを扱った作品
小説
- 時をかける少女 - 日本におけるタイムリープ作品として、もっとも著名な作品。
- タイム・リープ あしたはきのう - 作中でタイムトラベルとタイムリープの違いを明確に定義した作品。
- 紺碧の艦隊、旭日の艦隊 - 架空戦記ブームの先駆けとなった作品。主人公サイドの殆どの登場人物だけではなく、一般国民の大半が作中でタイムリープを果たし、国家規模での歴史改変を目指す。
ゲーム
- ひぐらしのなく頃にシリーズ - 幾重にも張り巡らされた複合的な悲劇的舞台設定(「封建的な村社会の悪癖および全てを牛耳る旧家の悪しき因習」「ダム開発の賛否を巡って分断された住民間の深い遺恨」「制御不可能な殺意が撃発する風土病に翻弄されるパンデミック・パニック要素」「同風土病を細菌兵器として軍事転用する事を目論む超法規的謀略機関の暗躍を描いたポリティカル・フィクション要素」「弱者への尊厳を持たない残虐な性格の高次元生物(タイムリープの張本人)による戯れを描いたダーク・ファンタジー要素」「主要登場人物の個々の家庭事情・PTSD(同居家族である叔父(反社出身)からのDV、実母が略奪婚され家庭崩壊(実父は結婚詐欺被害に遭遇中)、家族の失踪および昏睡、前述風土病研究が元で医学会より除け者にされ憤死に至った義父)」「主要登場人物間の人生観の擦れ違い(共依存関係にありながら進学先である名門校でのスクール・カースト乖離、純愛と栄達欲・医学知識探求欲の葛藤)」)の中で、(普段はジュブナイル作風の)ほのぼのとした少年少女(主人公グループ)の日常が続くも、やがて凄惨な事件が発生する度に発生前へのタイムリープが繰り返される。タイムリープ前の記憶・経験を積んだ主人公たちは知恵・勇気を振り絞り、思索を巡らし時には流血も厭わない死闘に身を投じながら、数々の悲劇の回避に挑み続ける。
- イースVIII - 厳密には、自分の意識を自ら封印することで、未来へと時間移動している。
- STEINS;GATE
- できない私が、くり返す。 - タイムリープを駆使し、変えられない未来を変えようとする作品。
漫画
- 東京卍リベンジャーズ - 不良だった主人公がタイムリープの能力に目覚め、中学時代へ戻った事を機に、(かつての恋人が殺害される)運命を変えるべく、元凶となる暴走族チームで成り上がる姿を描いたサスペンス作品。和久井健作品。
- 代紋TAKE2 - 任侠社会で最下層に近い存在だった主人公が、過去に戻り成り上がる。
- JKからやり直すシルバープラン - 学生時代にて才色兼備だが人格面に問題を抱え、高齢になってから赤貧に喘ぎつつ自らの半生での過ちに気付いた女性が過去に戻り人生改変を目指す。
- 陰キャだった俺の青春リベンジ 天使すぎるあの娘と歩むReライフ - 過労で倒れたブラック企業社員(男性)が高校時代に戻り、自身の人生改変および(やがて悲劇を迎える事になる)美少女女子高生を救うべく奮闘する。
- 1日脱出録ハンチョウ 〜day dream believer〜 - 本伝作品「1日外出録ハンチョウ」第33話のその後が描かれており、その1日(友人関係にある地下労働施設監視責任者宅でのひと時)を何回も繰り返される主人公の苦悩と葛藤が描かれた外伝作品(単行本 第5巻 収録)。
アニメ
- 長編アニメーション映画うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー - 「今の生活をずっと続けていたい」というヒロインの願いに応えて妖怪が創り出した(タイムリープ風)夢に翻弄され続ける主要登場人物達を描いている。
ドラマ
- プロポーズ大作戦 (テレビドラマ) - 長澤まさみ、山下智久主演の月9ドラマ。
映画
- ペギー・スーの結婚 - 夫との離婚を決意した中年女性が卒倒を切っ掛けに高校時代に帰り、己が人生を見つめ直して往く様を描いた作品。
- バス男(ナポレオン・ダイナマイト) - タイムリープ出来ると謳われたインチキ商品に騙され通販購入した主人公の叔父が、ハイスクール時代のアメフト試合出場・人生改変を目論むエピソードが登場する。
脚注
関連項目
タイム・リープ あしたはきのう
(タイムリープ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/01 22:11 UTC 版)
タイム・リープ あしたはきのう | |
---|---|
ジャンル | 学園[1]、青春[1]、SF[2] |
小説 | |
著者 | 高畑京一郎 |
イラスト | 衣谷遊 |
出版社 | メディアワークス |
発売日 | 1995年6月10日 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル |
ポータル | ライトノベル |
『タイム・リープ あしたはきのう』は、高畑京一郎による日本のライトノベル。メディアワークスより1995年6月に刊行された。その後、文庫版が電撃文庫(メディアワークス)より1996年12月に、メディアワークス文庫(KADOKAWA)より2022年10月にそれぞれ上下巻として刊行された。
メディアミックスとして、1996年にはラジオドラマ化が、1997年には映画化がそれぞれ行われた。
あらすじ
ごく普通の女子高生・鹿島翔香は、ある日自分が『昨日の記憶』を喪失していることに気づく。そして、自分の日記を調べると、昨日の自分が書いたと思しき、見覚えのない文章があった。
「あなたは、今、混乱している…若松くんに相談しなさい。最初は冷たい人だと思うかもしれないけど、彼は頼りになる人だから。」
学校でも秀才の噂高い若松和彦は、翔香が一種の時間移動現象「タイム・リープ」に陥ったことを突き止め、時間のパズルと格闘していく。
原因がわからないまま”時をかける少女”になってしまった翔香と、クールな和彦。接点のない2人だが、和彦は翔香のペースに巻き込まれていく。[3]
登場人物
![]() |
この節の加筆が望まれています。
|
- 鹿島翔香
- 主人公。タイムリープ現象に遭遇する。高校2年生の女子生徒。
- 若松和彦
- 翔香のクラスメート。学校でトップクラスの秀才だが、対人関係(特に異性に対しては)にかなり距離を取っている。
- 関鷹志
- 和彦の親友。柔道部に所属。父親は刑事。
- 鹿島若子
- 翔香の母。
- 若松美幸
- 和彦の妹。兄とは対照的に明るく社交性がある。
- 中田輝雄
- 高等学校の英語教師。
- 海野久子
- 高等学校の数学教師。
- 水森優子、三原知佐子、矢内幹代
- 翔香の友人。
既刊一覧
単行本版
- 高畑京一郎(著)・衣谷遊(イラスト) 『タイム・リープ あしたはきのう』 メディアワークス、1995年6月10日発売[4]、ISBN 4-07-303060-4
文庫版
電撃文庫
- 高畑京一郎(著)・衣谷遊(イラスト)、 メディアワークス〈電撃文庫〉、全2巻
- 『タイム・リープ<上> あしたはきのう』、1996年12月26日発売[5]、 ISBN 4-07-305580-1
- 『タイム・リープ<下> あしたはきのう』、1996年12月26日発売[6]、 ISBN 4-07-305596-8
メディアワークス文庫
- 高畑京一郎(著)・ジワタネホ(イラスト)、 KADOKAWA〈メディアワークス文庫〉、全2巻
- 『新装版 タイム・リープ<上> あしたはきのう』、2022年10月25日発売[7]、 ISBN 978-4-04-914696-7)
- 『新装版 タイム・リープ<下> あしたはきのう』、2022年10月25日発売[8]、 ISBN 978-4-04-914697-4)
ラジオドラマ
1996年に文化放送の電撃大賞で放送された。その後ポリグラムからドラマCDとして発売された。
キャスト
- 鹿島翔香 - 久川綾
- 若松和彦 - 緒方恵美
- 鹿島若子 - 達依久子
- 鹿島英介 - 遠藤守哉
- 水森優子 - 永島由子
- 関鷹志 - 石川英郎
- 若松美幸 - 柳瀬なつみ
- 中田 - 幸野善之
- 藤岡 - 吉水孝宏
- 西田 - 住友優子
- 海野 - 中西美佐
- 佐知子 - 坂本円
- 幹代 - 小松里賀
- 香坂 - 井上隆之
- ナレーション - 速水奨
映画版
タイム・リープ | |
---|---|
監督 | 今関あきよし |
撮影 | 芦澤明子 |
編集 | 中川毅彦 |
配給 | パル企画 |
公開 | ![]() |
上映時間 | 91分[9] |
製作国 | ![]() |
『タイム・リープ』のタイトルで1997年6月7日に公開された。映画版では、「池内翔香」(鹿島翔香)と「星野彰彦」(若松和彦)と登場人物名が変更されるなどの設定の変更が見られる。
原作のテイストを残しつつ、よりドラマチックなシーンを盛り込んだ良質なエンターテイメントに仕上がっている[10]。
翔香役の佐藤藍子は映画初主演であり、星野役の川岡大次郎はこの作品がデビュー作となる。主題歌「タイム・リープ」を声優の緒方恵美が歌った。監修には大林宣彦があたった。
スタッフ
- 原作 - 高畑京一郎[11]
- 監修 - 大林宣彦[11]
- 監督 - 今関あきよし[11]
- 助監督 - 多胡由章[9]
- 脚本 - 藤長野火子[11]
- 音楽 - 千住明[11]
- 主題歌 - 緒方恵美[11]
- 撮影 - 芦澤明子[11]
- 美術 - 沢路和範[11]
- 録音 - 深田晃[12]
- 照明 - 吉角荘介[11]
- 編集 - 中川毅彦[11]
- 衣装デザイン - 南拓哉[9]
- プロデューサー - 本村好弘[11]、小林俊一[11]
- 製作 - バンダイビジュアル[11]、セガ・エンタープライゼス[11]、パル企画[11]
- 配給 - パル企画[11]
キャスト
- 池内翔香 - 佐藤藍子[11]
- 星野彰男 - 川岡大次郎[11]
- 宮下国彦 - 加藤賢崇[11]
- 杉田治 - 田口トモロヲ[11]
- 池内絢奈 - 余貴美子[11]
- 今泉優美 - 宮澤寿梨[11]
- 谷口みきよ - 山田純世[11]
- 山下京花 - つぐみ[11]
- 香坂賢一 - 梶原聡[11]
- 関鷹志 - 松下一矢[11]
- 西田昌代 - 坂井真紀[11]
関連商品
- 『タイム・リープ あしたはきのう』(ドラマCD)
- 『タイム・リープ』 (VHS バンダイビジュアル 1997年7月9日発売)
- 『タイム・リープ』 (DVD バンダイビジュアル 2003年3月4日発売)
脚注
- ^ a b “僕の血を吸わないで”. キミラノ. KADOKAWA. 2024年8月28日閲覧。
- ^ 石井ぜんじ / 太田祥暉 / 松浦恵介『ライトノベルの新・潮流 黎明期→2021』スタンダーズ、2022年1月1日、48頁。 ISBN 978-4-86636-536-7。
- ^ 電撃Adventures Vol.25. 主婦の友社. (1998年3月25日). p. 95
- ^ “「タイム・リープ あしたはきのう」高畑京一郎 [一般書(その他)]”. KADOKAWA. 2024年11月8日閲覧。
- ^ “「タイム・リープ<上> あしたはきのう」高畑京一郎 [電撃文庫]”. KADOKAWA. 2024年11月8日閲覧。
- ^ “「タイム・リープ<下> あしたはきのう」高畑京一郎 [電撃文庫]”. KADOKAWA. 2024年11月8日閲覧。
- ^ “「新装版 タイム・リープ<上> あしたはきのう」高畑京一郎 [メディアワークス文庫]”. KADOKAWA. 2024年11月8日閲覧。
- ^ “新装版 タイム・リープ<下> あしたはきのう」高畑京一郎 [メディアワークス文庫]”. KADOKAWA. 2024年11月8日閲覧。
- ^ a b c d “タイム・リープ”. キネマ旬報WEB. キネマ旬報社. 2024年1月14日閲覧。
- ^ 電撃Adventures Vol.25. 主婦の友社. (1998年3月25日). p. 95
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa “タイム・リープ”. allcinema. スティングレイ. 2023年10月23日閲覧。
- ^ “タイム・リープ”. 映画.com. エイガ・ドット・コム. 2023年10月23日閲覧。
タイムリープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:16 UTC 版)
「STEINS;GATEの用語一覧」の記事における「タイムリープ」の解説
本作では、記憶のみを過去に送ることをタイムリープと呼び、タイムマシンで物をそのままタイムトラベルさせるのと区別している。『CHAOS;HEAD』に登場したVR技術(ヴィジュアル・リビルディング。人間の記憶や感覚の読み書きが可能なヴィクトル・コンドリア大学精神生理学研究所の特許技術。理論上は人工衛星から地上の人間に対しても可能)を電話レンジ(仮)とLHCに応用して、過去の携帯電話に向けて通話用電波として発信する。記憶の神経パルス信号だけではなく脳が記憶を思い出すトップダウン記憶検索信号も送ることで、過去の自分が未来の記憶を思い出すという形になる。
※この「タイムリープ」の解説は、「STEINS;GATEの用語一覧」の解説の一部です。
「タイムリープ」を含む「STEINS;GATEの用語一覧」の記事については、「STEINS;GATEの用語一覧」の概要を参照ください。
固有名詞の分類
- タイムリープのページへのリンク