スポンサー企業の選定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 12:29 UTC 版)
「林原 (企業)」の記事における「スポンサー企業の選定」の解説
再建スポンサーには韓国のCJグループや日本たばこ産業など70〜80社が名乗りを上げ、西村あさひ法律事務所とフィナンシャル・アドバイザーのGCAサヴィアンの音頭によって、スポンサー選定は3回の入札で分けて行われた。スポンサー候補は、第一回の入札で概ね10社くらいに絞られ、三菱商事グループにSBI、群栄化学、明治製菓、大塚製薬グループ、伊藤忠グループなどが含まれていた。入札の金額幅はこの時点で400億円超のレベルと推察されたという。通常の進め方であれば、第二回の入札は第一回に勝ち残った中から、さらに金額の高い順に絞られるはずであるが、本件では変則的な入札が行われたという。第一回の入札に勝ち残った会社を核にして連合を組めば、落ちてしまった会社でも勝ち上がることができる。逆に一回目で上位に残った会社でも、合従連衡に手抜かりやミスがあれば二回目で落ちてしまう。こうした進め方のため、一回戦で勝ち残った組の中からも、「これは二回戦ではなく一・五回戦だ」という悲鳴も上がっていたという。 2011年五月の連休前に行われた第二回の入札では、一回目のトップ当選と見られていた三菱商事と第2位のSBI、それと明治製菓、大塚製薬グループは他との連合を嫌ったのか、それともこれ以上の金額は出せないとあきらめたのか落選した。第3回目の入札前に残っていたのは、群栄化学と、韓国の元サムスン傘下のCJグループと、カーギル、長瀬産業であったとみられ、入札の金額はこの時点で600億円前後と報道されていた。共同通信の事前予測報道では、「韓国の財閥CJグループと日本のJT(日本たばこ産業)が、700億円前後で競い合っている模様」との観測が出ていたが、JTはその後すぐ自社のホームページで、「入札の事実はない」と報道内容を否定するコメントを発表した。また、「韓国CJグループは八五〇億円以上出すのでは」との話も伝わっていたという。が、最終的に入札を経て2011年8月3日に長瀬産業がスポンサーに決定した。決定金額は約700億円であり、実はCJも同額を提示したが、これはみなの「総合判断」で落としたという。長瀬産業が、もう一社の額を上回る金額で落札したものと報道されたが、これは誤報である。林原の前専務、林原靖は著書で、 長瀬産業にスポンサーが決定した理由として、スポンサー選定の一回戦、二回戦では長瀬産業の名前は出ておらず、債権者である三井住友銀行が同社のメインバンクで、最終的なスポンサー選定はフィナンシャル・アドバイザーであるGCAサヴィアンの公平な判断などではなく、裏に同銀行の強力な意向があったのではないかとしている。 なお、GCAサヴィアン株式会社マネージングディレクターの野々宮律子が、2020年より長瀬産業株式会社の社外取締役を務めている。 最後の入札を経て2011年8月3日に長瀬産業がスポンサーに決定し、12月31日に東京地方裁判所より更生計画案が認可された。
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