ストーナー方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 04:16 UTC 版)
現在はAR-10、M16(AR-15)系の小銃のみで使用されている方式で、航空機メーカーのフェアチャイルドの銃器開発部門アーマライトの技術者であったユージン・ストーナーが発明して特許 (U.S.Patent2951424) を取得した方式で、銃身にあるガス導入孔からガスチューブを通った発射ガスを直接ボルトグループに吹き付けて作動させる、という点ではAg m/42やMAS49等と同様だが、作動機構の構成と構造が異なる独自の形式である。 この方式はボルトキャリアを可動するシリンダーとし、ボルトキャリアに覆われる形で配置された遊底(ボルト)を固定されたピストン(内筒)、として利用している。ボルトとボルトキャリアの隙間はピストンリングによって密閉されており、ガスが流入した際に一定の圧力を確保する構造になっている。ガスチューブからの発射ガスがボルトキャリアの内部に充満し、既定値以上の圧力が生じるとボルトキャリアが後退、それによりボルトの固定が解かれてボルトも連動して後退する、という構造で、少量のガスでボルトグループを作動させられるため、DI方式の難点であった「発射薬の量が少なくガス発生量の少ない小口径軽量弾薬では確実な動作が保証されない」といった点を克服しており、ボルトグループの小型化が可能で、銃身とボルト、そしてボルトキャリアを同じ軸線上に配置することができるため、銃全体を小型化できる上、作動時の重心変動を最小限にできるために、体感反動が小さく命中精度の高い自動小銃とすることが可能である、という利点を持っていた。 反面、ボルトグループの内部にガスが流れ込むため、単純なDI式に比べて作動部品が汚損しやすく、構造上ボルトの後方に「バッファーチューブ」と呼ばれるリコイルスプリングを内蔵した筒を配置する必要があり、この部分がレシーバー後部に突き出す形になるため、レシーバー後端(ストックの根本)で左右に折り畳む方式のストックの装備が難しくなるというデメリットがある。確実な作動を求めるには@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}頻繁かつ入念な[要追加記述]クリーニングが必要で、手入れが不充分な場合には信頼性が著しく低下する、という問題もある。M16が採用された当初には、アメリカ軍が不適切な発射薬を用いていたため煤の蓄積が進みやすく、作動不良が頻発したという事例がある。 採用例 AR-10 M16シリーズ CQ311 K1
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