ストラデラ・ベース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 05:17 UTC 版)
「アコーディオン」の記事における「ストラデラ・ベース」の解説
ストラデラ・ベース・システム(The Stradella Bass System)という呼称は、楽器生産で有名なイタリアのストラデッラで開発されたことにちなむ。クロマティック・ボタン鍵盤式アコーディオンおよびピアノ鍵盤式アコーディオンの左手部分のベースの機構として最も普通に見られるため「スタンダード・ベース」(「標準ベース」の意)とも呼ばれる。以下にベース・ボタンの並べ方を示す(これは96ベースの例。120ベースは両側にさらに拡張する)。 中型以上の機種では、ストラデラ・ベースは通常次の6列から構成される(以下、蛇腹に最も近い列=最も内側の列を第1列とする。)。2列目のボタンはファンダメンタル・ベース(the Fundamental Bass 基本ベース)と呼ばれ5度音階に従って並べられている。1列目のボタンはカウンター・ベース(the Counter Bass 対位ベース)と呼ばれ、2列目より長3度高い関係になっている。メジャーコードは3列目に配置され、4列目はマイナーコードで構成される。5列目はセブンスコードを格納し、最後の6列目はディミニッシュ・コードないしディミニッシュ・セブンスコードを持つ。 この方式の特長は、和音伴奏を簡単に演奏できることである。例えばCの三和音(ド、ミ、ソ)を鳴らそうと思ったら、右手の高音部ではドとミとソの3つの鍵を指で押さねばならないが、左手の低音部ではCのベースのボタン1個を押すだけで「ド、ミ、ソ」が鳴る。その反面、左手でメロディーを弾くのは不自由になる。左手のベース・ボタンのうち、単音を鳴らせるのは内側から見て第1列の対位ベースと第2列の基本ベースだけで、その音域は1オクターブに限られるうえ、小型のアコーディオンではベース部の単音ボタンを省略して和音ボタンのみしかないものすらある。 値段やサイズ、楽器の系統にも因るが、まったくない列があったり、レイアウトが多少変更されていることがある。ほとんどのロシア式の配置は、ディミニッシュ・セブンス・コードの列はボタンひとつ分移動され、ディミニッシュ・セブンス・Cコードは図のディミニッシュ・セブンス・Fコードの位置にあり、人差し指が届きやすいようになっている。 ストラデラ・ベース式のアコーディオンは、ボタンの数と種類によって次のように分類される。 「12ベース」アコーディオン:FからDまでとかBbからGまでとかのファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコードを持つ。さらにここからマイナーコードを省略した8ベースもある。 「24ベース」はBbからAまでで、ファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコードを持つ。 「32ベース」はEbからEまでで、ファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコード、セブンスコードを持つ。 「48ベース」はEbからEまでで、6つの列すべてを持つ。 「72ベース」はDbからF#までで、6つの列すべてを持つ。 「80ベース」はCbからG#までで、ディミニッシュ以外のすべてを持つ。 「96ベース」は80ベースと同様だが、6つすべての列を持つ。 「120ベース」はAbb(i.e. low G)からA#まで - 20行 - 6つすべての列を持つ。
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