【スターリングエンジン】(すたーりんぐえんじん)
シリンダー内に満たされたヘリウムなどのガスを、外部から加熱・冷却し、それよって生じる気体の熱膨張・熱収縮を利用してピストンを動かし、動力を得るエンジン。
外燃機関に分類され、熱効率はディーゼルエンジンと並んで高いと言われる。
シリンダー内部で爆発を起こすレシプロエンジンと違い、燃焼を利用する場合は外部となり、エンジン内部での直接の爆発行程がなく、トルク変動も少ない。
そのため静音性に優れ、直に有害な成分の排気を出すことがなく、環境への影響を少なく出来る。
また温度差を作り出せれば作動することから、可燃物、地熱、太陽熱などのあらゆる熱源が利用可能である。
しかし、このエンジンはガスを高圧でシリンダー内に封入し、高レベルの気密を保ったままで膨張・収縮を行なわなければならないため、ピストンや出力軸を摩擦なく動かすようにすることは非常に困難で、未来のエンジンと言われながらも実用例はほとんどない。
わずかな例として、スウェーデン海軍の「ゴトランド」級潜水艦にコックムス社製スターリングエンジンが搭載されている。
また、同社製のエンジンは日本でも海上自衛隊の練習潜水艦あさしお(JDS Asashio TSS-3601)にて試験運用された後、2009年3月に就役した新型潜水艦「そうりゅう」型に、これを改良したものが搭載されて実用化された。
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