スターリンの扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 14:19 UTC 版)
「ロシア連邦共産党」の記事における「スターリンの扱い」の解説
ロシア連邦共産党は「再スターリン化」を標榜し、宣伝看板にはソビエト連邦の独裁者であったスターリンの絵が大きく描かれている。また、この党のモスクワ支部のサイトでもやはりスターリンを美化している絵が掲載されていたほか、党が運営する「スターリンの汚職防止委員会」というページがある。更に、ジュガーノフ党首がスターリンの胸像に献花したこともある。アリベルト・マカショフら党の有名な議員はネオ・スターリニズムを掲げた。 1956年のニキータ・フルシチョフによるスターリン批判以降のソ連共産党では、時期によってスターリンに対する批判の強弱はあるものの、このようにスターリンを前面に押し立てることはなかった。 ただ、ジュガーノフは1996年の世界経済フォーラムで共産党が政権をとった場合でも旧ソ連時代のような社会主義計画経済は採らないことを表明しており、仮に共産党が政権を取ったとしても、かつてのようなスターリン主義国家に戻る可能性は低いものと見られる。 ジュガーノフ自身は、中華人民共和国の鄧小平が自らの手本ともしており、ミハイル・ゴルバチョフのペレストロイカではなく、中国共産党の改革開放と同じ方法をとればソ連共産党は崩壊しなかったとして中国やベトナムのような社会主義市場経済の採用を仄めかしている。 なぜここまでスターリンを持ち上げるかといえば、ロシア国民の間で愛国主義の象徴として崇拝する人も少なくないスターリンを持ち出すことで、国民の愛国心に訴え支持拡大を狙うパフォーマンスの一種との見方もされている(左翼ナショナリズム)。皮肉にも、プーチン大統領も国民の愛国心を鼓舞して自身の支持率を上げることを戦略としており、その点で統一ロシアと共産党の政治手法の差はあまりないと言える。
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