ジャンニ・ヴェルサーチ殺害事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 02:46 UTC 版)
「ジャンニ・ヴェルサーチ」の記事における「ジャンニ・ヴェルサーチ殺害事件」の解説
1997年7月15日、マイアミ・ビーチにある別荘の入口で、アンドリュー・クナナン(Andrew Cunanan)によって射殺された。ジャンニは、歩いて5分ほどのニューズカフェでコーヒーを飲みながらイタリアの新聞を読むのをバカンス中の朝の日課にしており、その帰りだった。犯人のクナナンはフィリピン系の父とイタリア系の母を持つ28歳の男で、IQが147あり、7か国語を操る秀才だった。父は軍人で貧しいながらも、優秀な息子の将来を思って高い私立高校に通わせた。カリフォルニア大学サンディエゴ校に進学したが、父親が転職先で失敗し家族を捨ててフィリピンに帰国してしまう。クナナンは父を追ったがフィリピンでの悲惨な暮らしぶりを見て絶望し、大学を中退、サンフランシスコの有名なゲイ・タウン、カストロ通りで金持ち相手に男娼を始める。話術に長け、好青年風のクナナンはカルフォルニアのゲイ・コミュニティで人気者になり、映画界やビジネス界のセレブたちとも交流があった。ジャンニとは、サンフランシスコのオペラのあとの社交パーティで、クナナンの当時の恋人だった弁護士を通じて知り合ったと言われている。ジャンニ殺害の数か月前に、三角関係のもつれから建築家と元海兵隊員をミネアポリスで殺害し逃走。警察に追われるなか、シカゴへ行き、当地の不動産王と言われていた70代の男性を暴行の末、喉をかき切って殺害し、金品を奪った。さらに逃走車両強奪の目的でニュージャージーで一人を射殺し、マイアミに逃げた。ジャンニを殺害した2週間後、警察に包囲されるなか、潜伏していたボートハウスで拳銃自殺した。 ジャンニの別荘Casa Casuarina は死後売却され、通信会社社長が所有し、ホテルなどに使っていた。その後1億2500万ドルで売りに出たが買い手がつかず、2013年現在1億ドルに値下げされた。2013年秋にアメリカの実業家ジョセフ・ナカシュ(英語版)が購入し、2015年に4つ星ホテルThe Villa Casa Casuarinaとして開業した。ナカシュはイスラエル生まれのシリア系ユダヤ人で、アメリカの服飾企業Jordache(英語版)の経営者である。 事件は『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』としてアメリカのテレビ局FXでドラマ化された。
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