ジアゾカップリングとは? わかりやすく解説

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アゾカップリング

(ジアゾカップリング から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 06:23 UTC 版)

アゾカップリング英語:azo coupling)は、ジアゾニウム化合物と他の芳香族化合物とをカップリングし、アゾ化合物を合成する有機反応である。ジアゾカップリングとも呼ばれる。この芳香族求電子置換反応では、アリールジアゾニウムカチオン求電子剤、活性アレーン求核剤である[1]

ジアゾ化

亜硝酸アニリンを混合すると、ジアゾ化と呼ばれる反応を経て赤紫色のジアゾニウム塩になる。これはアゾ染料を作ったり芳香族化合物官能基置換するカップリングの前段階の反応として重要である。

反応の用途

生成物共役がもとの物質よりも増加するため、より長波長の光(特に可視光)を吸収するようになる。その結果として、芳香族アゾ化合物は延長された共役系により明るい色調となる傾向にあり、染料として多く使われている[2]

その他、プロントジルなどのサルファ薬の合成にも応用される。

反応例

多くの反応系が説明されている[3][4]フェノール塩化ベンゼンジアゾニウムと反応させると橙黄色のジアゾ化合物が得られる。この反応では塩基触媒となる[2]

関連する染料のアニリンイエロー英語版はアニリンとジアゾニウム塩から合成される[2]

ナフトールは一般的な受容体である。例として、染料のオルガノールブラウンはアニリン1-ナフトール英語版)から合成する。

Organol brown synthesis

同様に、2-ナフトール英語版)と塩化ベンゼンジアゾニウムとをカップリングすると赤橙色の染料ができる。

出典

  1. ^ Smith, Michael B.; March, Jerry (2007), Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure (6th ed.), ニューヨーク: Wiley-Interscience, ISBN 0-471-72091-7, https://books.google.co.jp/books?id=JDR-nZpojeEC&printsec=frontcover&redir_esc=y&hl=ja 
  2. ^ a b c Klaus Hunger; Peter Mischke; Wolfgang Rieper; Roderich Raue; Klaus Kunde; Aloys Engel (2005年). "Azo Dyes". ウルマン産業化学事典英語版. ヴァインハイム: ウィリーVCH英語版. doi:10.1002/14356007.a03_245
  3. ^ J. L. Hartwell and Louis F. Fieser. "Coupling of o-tolidine and Chicago acid". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 2, p. 145
  4. ^ H. T. Clarke and W. R. Kirner. "Methyl red". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 1, p. 374

関連項目


ジアゾカップリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 15:48 UTC 版)

ジアゾニウム化合物」の記事における「ジアゾカップリング」の解説

芳香族ジアゾニウム塩は、電子供与性基を持つアミノアリール化合物あるいはフェノール化合物パラ位に求電子的な攻撃行いシグマ錯体経由する芳香族求電子置換反応により、'N末端アリールカップリングしたアゾ化合物アゾベンゼン誘導体)を与える。この反応アゾカップリングとも呼ばれるAr − N +   ≡ N   + Ar ′ H ⟶ ArN = NAr ′ {\displaystyle {\ce {Ar-N^{+}\ \equiv N\ +Ar'H->Ar-N=N-Ar'}}} ジアゾ化合物発色団となる為にこの方法で種々のベンゼンあるいはナフタレン化合物基質として種々の新規色素アゾ色素)が合成された。電子供与性基を持つアリール化合物酸性条件化ではプロトン化することで電子供与性が減弱する場合がある。したがって(ジ)アゾカップリングはアミノアリールとの場合中性アルカリ性フェノール化合物との場合アルカリ性反応させる必要があるジアゾニウム塩脂肪族カルバニオンとも結合作る活性メチン化合物結合して脱炭酸または脱カルボン酸後にヒドラゾン与え反応知られており、ヤップ・クリンゲマン反応呼ばれる

※この「ジアゾカップリング」の解説は、「ジアゾニウム化合物」の解説の一部です。
「ジアゾカップリング」を含む「ジアゾニウム化合物」の記事については、「ジアゾニウム化合物」の概要を参照ください。

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