シンボルと徽章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 23:26 UTC 版)
三重冠 (Triregnum) はここ数代の教皇たちは用いていない(取り止められたのは1960年代中頃から)が、古代以来ローマ教皇のシンボルとなっている。教皇は典礼儀式の中では司教のしるしであるミトラ(司教冠)をかぶっている。十字架のついた杖も13世紀以前から用いられている。またパリウム(幅二インチほどの布製の輪)がカズラの上に着用される。 金と銀の二つの鍵が交差する形で描かれる天国の鍵も教皇のシンボルとして用いられている。そのうちの銀の鍵は現世的な権威を、金の鍵は宗教的な権威を示している。漁師だったペトロにちなんで「漁師の指輪」と呼ばれる金の指輪も教皇によって用いられている。また、ウンブラクルム (unbracullum) として知られる教皇用の赤と金の線が入った傘の図柄も用いられることがある。 古代以来、長きにわたって教皇のシンボルとして用いられたものに教皇用輿(セディア・ゲスタトリア)がある。みこしのような土台に教皇の椅子が備え付けられ、12人の従者によって運ばれる。さらに二人の扇もちが付き添ってあおぐのが慣例であった。教皇用輿はあまりに前時代的であるということでヨハネ・パウロ1世も使用を嫌がったが、ヨハネ・パウロ2世によって正式に廃止された。ヨハネ・パウロ2世は移動用に教皇用オープンカー(パパモビル)を初めて用いた。 教皇はまた独自の紋章を持っている。図柄は歴代の各教皇毎にそれぞれ違うが基本的な構成はほぼ同じであり、交差して組まれた金と銀の鍵、三重冠、赤い組紐は必ず描かれてきた。バチカン市国の旗とされているのは黄色と白の旗であり、教皇の三重冠がそこにも描かれている。この旗がはじめて現れたのは1808年のことであり、それ以前、教皇庁は聖座の色である赤と金の旗を使っていた。 装備品 詳細は「en:Category:Papal vestments」を参照 教皇冠 ミトラ (司教冠) パリウム - 祭服 クワイア・ドレス(英語版) キャソック ペルグリーナ(英語版) - 肩掛け ファシア(英語版) - 帯 papal mantle - コープ (祭服)(英語版)(マント) パーパル・フェルーラ(英語版) - 杖 指輪印章「漁師の指輪」(en、漁夫の指輪とも) en:Papal shoes - 靴
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