シナプス‐かそせい【シナプス可塑性】
神経可塑性
英訳・(英)同義/類義語:neural plasticity, synaptic plasticity
シナプスの信号伝達能力や形が、刺激の量によって変化・適応すること。
シナプス可塑性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 01:19 UTC 版)
FMRPは神経のさまざまな領域で多様な機能を果たしているが、その機能は十分には特徴づけられてはいない。FMRPはmRNAの核細胞質間輸送、樹状突起へのmRNAの局在、シナプスでのタンパク質合成に関与することが示唆されている。脆弱X症候群の研究によるFMRPの喪失時の影響を観察は、FMRPの機能の理解を助けてきた。脆弱X症候群のマウスモデルからは、FMRPがシナプス可塑性(英語版)に関与していることが示唆されている。シナプスの可塑性には、シナプス受容体の活性化に応答して新たなタンパク質合成が行われることが必要である。刺激に応答したタンパク質合成はシナプスの恒久的な物理的変化とシナプス連結の変化を可能にし、学習や記憶の過程と関連していると考えられている。 グループI代謝型グルタミン酸受容体(英語版)(mGluR)を介したシグナル伝達は、FMRP依存的なシナプス可塑性に重要な役割を果たしていることが示唆されている。シナプス後のmGluRの刺激は、セカンドメッセンジャーを介してタンパク質合成をアップレギュレーションする。mGluRがシナプス可塑性に関与していることは、mGluRの刺激後に樹状突起スパインの伸長が観察されることからも示されている。さらに、mGluRの活性化はシナプス近傍でのFMRPの合成を引き起こす。合成されたFMRPはmGluRの刺激後にポリソームと結合することから、FMRPが翻訳過程に関与していることが提唱されている。ここからさらに、FMRPはシナプスでのタンパク質合成とシナプス結合の成長に関与しているという主張がなされている。FMRPの喪失は樹状突起スパインの異常な表現型を引き起こす。具体的には、マウス標本におけるFMR1遺伝子の欠失はスパインのシナプス数の増加を引き起こす。
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