mRNAの局在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 02:09 UTC 版)
「RNA結合タンパク質」の記事における「mRNAの局在」の解説
mRNAの局在化は、タンパク質産生の空間的な調節を可能にする、遺伝子発現の重要な調節機構である。mRNAが局在化することで、細胞の特定の部位でタンパク質への翻訳が行われることとなる。このことは初期発生に特に重要であり、さまざまなmRNAが局在化した卵や初期胚で迅速な細胞分裂が起こることでさまざまな組み合わせのmRNAを含む細胞が生じ、その後それらの細胞は異なる運命をたどることとなる。RNA結合タンパク質はmRNAを局在化し、目的の領域でのみタンパク質への翻訳が行われるよう保証している。そのようなタンパク質の1つがZBP1(英語版)である。ZBP1は転写部位でβ-アクチン(英語版)のmRNAに結合し、mRNAとともに細胞質へ移動する。いくつかの非対称細胞種では、ZBP1はこのmRNAをラメリポディア(英語版)へ局在させ、そこで翻訳が行われる。FMRPはRNA局在に関与する他のRNA結合タンパク質である。FMRPはRNAの代謝に関する機能に加えて、特定のmRNAを刺激誘導的に神経細胞の樹状突起へ局在させる過程に関与している。
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