ゴシックの系譜とは? わかりやすく解説

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ゴシックの系譜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 14:35 UTC 版)

ゴシック小説」の記事における「ゴシックの系譜」の解説

ケイレブ・ウィリアムズ』は隠され事件解き明かしていく過程により、推理小説原型とも言われるロマン派詩人コールリッジ老水夫の唄」「クリスタベル」「クーブラ・カーン」、キーツ女」「残忍美女」、シェリー「ザストロッツィ」などは、ゴシック小説中の幻想用いられている。ジェーン・オースティンノーサンガー・アビー』は、ゴシック小説好きな主人公少女中世僧院だった屋敷招待されるという、ゴシック小説パロディー要素組み込まれている。 イギリスでの流行19世紀初めに終わるが、フランスではオトラント城奇譚』が1767年翻訳され以来ゴシック小説大い読まれて、サド侯爵小説論」(『恋の罪』)で『マンク』が礼賛され、またシャルル・ノディエ影響受けた作品書いた他、ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』1911年)などが生まれ、フレンチ・ゴシックと呼ばれるドイツでもこれらの影響によりゲーテドイツ亡命者談話』や、シラー『招霊妖術師』、ホフマン悪魔の霊酒』などが書かれた。アメリカではチャールズ・ブロックデン・ブラウンの『ウィーランド』(1798年)がアメリカン・ゴシック小説の走駆である。また『緋文字』(1850年)のナサニエル・ホーソンや、『アッシャー家の崩壊』(1839年)『大鴉』(1845年)などのE.A.ポーがその系譜を継ぐ作家であり、ハーマン・メルヴィルも「幽霊船」(1855年)などがゴシック小説作品と言われるイギリスでもシェリダン・レ・ファニュや、ブラム・ストーカードラキュラ』(1897年)など、この分野の怪奇小説書かれるデンマークからアメリカ作家になったカレン・ブリクセンも『七つゴシック物語』(Seven Gothic Tales, 1934年)がある。 ゴシック小説では礼拝堂、鎧、肖像画などが道具立として使われたが、濠や跳ね橋秘密の地下道のある古い屋敷は、推理小説ブームの時代においても、A.A.ミルン赤い館の秘密』(1921年)、コナン・ドイル恐怖の谷』(1914-15年)などでも舞台とされた。 ゴシック小説手法用いた作品として知られるものには、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』(1847年)や、トマス・ピンチョンV.』(1963年)がある。『オトラント城奇譚』は20世紀になるとシュルレアリスト達によって再評価され、特にアンドレ・ブルトンはこの作品が夢から着想得た点に注目したアメリカではシャーリイ・ジャクスンら、ゴシック・ノベル、ゴシック・ホラーなどと呼ばれる現代的ゴシック小説高い人気保っており、1990年代にはポスト・モダンがE.A.ポーと言われるパトリック・マグラアなどのニュー・ゴシックが注目された。 ゴシック小説定番モチーフは、怪奇現象宿命古城・古い館、廃墟幽霊などであり、それらは現代ゴシック小説でも継承されている。 映画においても、ケン・ラッセルゴシック』(1986年)や、ピトフヴィドック』(2001年)といったゴシック趣味映画作られている。

※この「ゴシックの系譜」の解説は、「ゴシック小説」の解説の一部です。
「ゴシックの系譜」を含む「ゴシック小説」の記事については、「ゴシック小説」の概要を参照ください。

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