コンピュータ時代のPCS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 06:05 UTC 版)
「パンチカードシステム」の記事における「コンピュータ時代のPCS」の解説
1948年、IBM 604 が発表された。この機械はカード・プログラムド・カリキュレータ(Card Programmed Calculator、CPC)と呼ばれ、真空管を使った計算機構を備えていた。これは10年間で5600台を販売するベストセラーとなった。これを代替する目的で開発されたコンピュータが IBM 650 である。 初期のコンピュータプログラムは入力および保管にパンチカードを使用した。企業や大学にはキーパンチ機が並んだ部屋があり、プログラマはそのような部屋で作業した。IBM 407 会計機を使ってパンチカードの内容を印字し、プログラムのデバッグに活用することもあった。IBM 519 を使ってプログラムのカードデッキのバックアップを作ることもあった。519 は73~80桁の位置に連続番号を打つのにも使われた。これはFORTRANやCOBOLがその桁位置を使っていないことから、それらのプログラムデッキに活用された。順番に並んでいたデッキを落とすなどしてバラバラにしてしまった場合には IBM 80シリーズのソーターを使った。より簡単な方法としては、カードデッキの上端の側面にペンなどで何かを書いておくと正しく並んでいることが確認できた。 IBM 1401 のような初期の商用コンピュータはパンチカードを入出力として、より複雑な結果を得られるようになっていた。しかし、多くの場合記憶媒体としては磁気テープが使われ、磁気テープへのデータ入力手段としてパンチカードが使われるようになっていった。 作業手順が変わることに抵抗を示す組織は多く、コンピュータが登場してからもPCSが使われることは多かった。料金集計、マイクロフィルムアパーチャーカード(パンチカードの一部にマイクロフィルムを埋め込んだカード)、投票システムなど、PCSは21世紀になっても使われている。 System/3 は IBM のミッドレンジコンピュータの先祖とも言うべき機種だが、PCSを完全に置き換える目的で開発された。
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