コンテナ船の将来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 14:16 UTC 版)
スエズマックスの先には、一番浅いところで水深25mとなるマラッカ海峡を通ることのできるマラッカマックスという基準がある。マラッカマックスは、コンテナ積載量18,000TEU、最大積載量200,000 DWT、船の全長470m、幅60m、喫水20m以内、速度25.5ノットの時に出力は100MW以上となる。これ以上の大きさになると、スエズ運河もマラッカ海峡も通れないため世界のコンテナ航路の大規模再編が必要となる。 この規模を実現する大きな制約の1つだったエンジン出力は、デンマークの重機械企業 MAN B&W が製造した2サイクルのディーゼル・エンジン、MAN B&W K108ME-C の登場によってクリアされようとしている。最大の問題はこの出力を伝達することのできる直径10m、重さ130トンのプロペラを作ることのできる会社がないことである。また港での荷役に掛かる時間が長くなる、通ることのできる航路が限られるなど、スーパータンカーの大きさを制限しているのと同じ問題にコンテナ船も直面しようとしている。 大きなフルコン船での、甲板上に高く積まれたコンテナによる視界不良と前からの波浪を防ぐために、船橋は船首部に配置が検討される。これにより、船首船橋直後から後部までコンテナ・クレーンのジブの上げ下げなしで動けることになる。またハッチレス船の導入がますます進むほか、事故発生時の環境に与える影響に配慮して、二重船殻の内側に燃料タンクを備えるようになる可能性もある。 21世紀初頭近年の燃料高騰が今後も続けば、巨大化するフルコン船に搭載されるエンジンは、ますます低燃費な物が求められ、おそらく高馬力での高速航行へは戻らないと思われる。
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