コンシリエンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 08:04 UTC 版)
「エドワード・オズボーン・ウィルソン」の記事における「コンシリエンス」の解説
1998年の彼の著書、『コンシリエンス:知の総合』(邦題「知の挑戦:科学的知性と文化的知性の統合」)で、C.P.スノーが提唱した自然科学と人文科学を統合する方法についての議論を拡張した。ウィルソンは、人が到達した異なる専門化された分野の知識の統合を、コンシリエンス(ウィリアム・ヒューウェルの造語)という単語を用いて説明している。人の本性を後成規則の(精神の発達の遺伝的パターンの)集積と定義した。また文化や文化的儀式が人間の本性を作る部品なのではなくて、それらは人間の本性によって作られた物なのだと述べた。たとえばヒトがシロアリのような生態を持っていれば、暗闇を愛するような文化や倫理観が生まれただろうと述べている。 彼は、自然科学や生物学を用いることで、芸術鑑賞、蛇への恐怖、または近親交配回避(ウェスターマーク効果=6歳頃までに一緒に育てられた子供は互いに性的魅力を感じなくなる)などの概念を研究できると主張した。 以前、これらの現象は心理学か社会学、または文化人類学の一部として研究されていた。 ウィルソンは、それらが人文科学にとどまらず、学際的な研究の一部となるよう提案している。
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