コクラン・ライブラリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 14:50 UTC 版)
「コクラン (組織)」の記事における「コクラン・ライブラリー」の解説
コクラン・ライブラリー(Cochrane Library)は、コクランによって編纂された文書集である。以前はCD-ROMで年4回販売されていたが、現在は公式ウェブサイトのオンライン購読が主流である。日本では、多くの大学や病院が法人契約を結んでいる。それぞれのレビュー記事の抄録 (abstract) については、コクランのウェブサイトやPubMedを通じ、広く一般に無料で開放されており、原文も公表後1年経ったものは、無料で⾒られるようになっている。 コクラン・ライブラリーは、根拠に基づく医療(EBM:evidence-based medicine)の手法について検証したコクランレビュー( The Cochrane Database of Methodology Reviews)、適切にデザインされた臨床試験についてのリファレンスを集積したCENTRAL (The Cochrane Central Register of Controlled Trials )など、いくつかの文書データベースの集積である。その中でも、コクランレビュー と呼ばれるデータベースは、EBMの考え方に基づき、過去の多くの臨床試験の論文から、エビデンスレベルの高いものを集めて吟味するシステマティック・レビューの手法を使い、その時点での最良の治療法のエビデンスを提示する記事の集合として、コクラン・ライブラリの中核を成している。 コクランレビュー における典型的なEBM記事の評価においては、まず、対象となっている具体的な疑問を挙げたあと、該当分野の"Working Group"から、独立して通常複数のレビュアーが任命される。レビュアーはそれぞれ独立に、コクラン・ライブラリー自身の The Cochrane Central Register of Controlled Trials や Medline から、適切にランダム化された試験を検索・抽出し、その試験の妥当性や有効性を評価し、統計的な手法を用いることで、疑問について回答を導き出す。 EBMの考えに厳格に基づこうとする文献データベースとして、2018年現在、コクラン・ライブラリーは世界最大規模のものであり、多くの医療従事者が信頼を置いている。
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