コウリンカとは? わかりやすく解説

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こうりん‐か〔‐クワ〕【紅輪花】

読み方:こうりんか

キク科多年草山地にみられ、高さ約50センチはさじ形。夏から秋先に、濃い(だいだい)色の頭状花数個つける。


紅輪花

読み方:コウリンカ(kourinka)

キク科多年草

学名 Senecio flammeus var.flabrifolius


コウリンカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/18 15:51 UTC 版)

コウリンカ
長野県諏訪地域 2021年9月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: オカオグルマ属 Tephroseris
: タカネコウリンギク Tephroseris flammea
亜種 : コウリンカ
T. f subsp. glabrifolia
学名
Tephroseris flammea (Turcz. ex DC.) Holub subsp. glabrifolia (Cufod.) B.Nord. (1978)[1]
シノニム
  • Senecio flammeus Turcz. ex DC. var. glabrifolius Cufod. (1933)[2]
  • Senecio flammeus Turcz. ex DC. subsp. glabrifolius (Cufod.) Kitam. (1937)[3]
  • Senecio flammeus Turcz. ex DC. f. glabrescens H.Hara (1934)[4]
和名
コウリンカ(紅輪花)[5][6]

コウリンカ(紅輪花、学名Tephroseris flammea subsp. glabrifolia)は、キク科オカオグルマ属多年草[5][6][7]。タカネコウリンギク(学名:T. flammea subsp. flammea)を分類上の基本種とする亜種[6][7]で、基本種とは、比べると茎に毛が少ない点で区別される[8]。以前はキオン属 Senecio L. に分類されていた[9]

特徴

根茎は細く短く、細い根が多数生える。は直立し、分枝しないで、高さは30-60cmになる。茎にほとんど毛はないか、上部に少しくも毛があり、下方は角ばり紫色をおびる。根出葉はさじ形になり、縁には鈍い鋸歯があり、基部に翼のある長い葉柄があるが、花時には生存しない。茎につくは10個ほどあって互生し、下部のものの葉身は広倒披針形で、長さ10-16cm、幅18-35mmになり、先は鈍頭、縁には不ぞろいで微凸な鋸歯があり、基部に向かってしだいに狭くなって基部は半ば茎を抱き、茎に短く沿下する。茎の中部につく葉の葉身は披針形になり、基部は茎を抱く。葉の両面にはくも毛がある[5][6][7][8]

花期は7-9月。頭状花序は6-13個が散形状につき、頭花の径は3-4cm、花柄は長さ5-16cmになる。総苞は長さ5-8mmになる鐘形で、同属のタカネコウリンカにある総苞基部の苞葉はない。花冠は橙黄色で、舌状花冠は10-15個あり、長さは17-22mm、幅2mmで、反り返った形状は特徴的である。果実は楕円状の痩果になり、長さ3mm、密毛が生える。冠毛は汚白色で、長さ6.5-8mmになる。染色体数2n=46[5][6][7][8]

分布と生育環境

日本では、本州の温帯域に分布し、山地の日当たりの良い、湿り気のある草原に生育する[5][6][7]。世界では、朝鮮半島に知られる[7]

名前の由来

和名コウリンカは、「紅輪花」の意で、舌状花を紅色の車輪に見立てたものという[10]牧野富太郎 (1940) は、『牧野日本植物圖鑑』の初版において、「和名ハ紅輪花ノ意ニシテ花色丹色ナレバ云フ」[11]と簡単に説明している。

種小名(種形容語)flammea は「鮮緋色の」「火焔色の」の、亜種名 glabrifolia は「無毛の葉の」の意味[12]

種の保全状況評価

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

(2020年、環境省)

都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[13]

福島県-絶滅危惧IB類(EN)、茨城県-絶滅危惧IA類、栃木県-絶滅危惧II類(Bランク)、群馬県-絶滅危惧IB類(EN)、埼玉県-絶滅危惧I類(CE)、東京都-絶滅(EX)、神奈川県-絶滅危惧IA類(CR)、新潟県-絶滅危惧II類(VU)、山梨県-準絶滅危惧(NT)、長野県-留意種(N)、静岡県-絶滅危惧IB類(EN)、京都府-絶滅寸前種、兵庫県- Aランク、鳥取県-絶滅危惧I類(CE+EN)、岡山県-絶滅危惧I類、広島県-絶滅危惧I類(CE+EN)

ギャラリー

タカネコウリンギク

タカネコウリンギクTephroseris flammea (Turcz. ex DC.) Holub (1973) subsp. flammea[14]シノニムSenecio flammeus Turcz. ex DC. (1837) subsp. flammeus[15]S. longeligulatus H.Lév. et Vaniot (1910)[16])は、コウリンカの分類上の基本種。多年草。茎は高さ15-40cmになり、茎に長くて縮れた毛が密に生え、またくも毛もある。花期は7-8月。頭花は、径30-32mmになり、茎の上部に2-7個が散形状につく。総苞は長さ5mm。筒状花および舌状花ともに鮮やかなオレンジ色で、舌状花冠は長さ13-22mm、幅1.5mmになり、やや反り返ってつく。冠毛は長さ約5.5mmになる。染色体数2n=48[7][17]。日本では九州の阿蘇山の外輪山や九重山の山麓などに分布し、火山性草原に生育する。世界では、朝鮮半島中国大陸北部、ロシア極東地方に分布する。朝鮮半島と九州が陸続きだった最終氷期に大陸から分布を広げ、氷期終了後も九州北部の草原に残存したものと考えられている[17]

絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト

(2020年、環境省)

都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[18]

熊本県-絶滅危惧IA類(CR)、大分県-絶滅危惧II類(II)

脚注

  1. ^ コウリンカ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ コウリンカ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ コウリンカ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ コウリンカ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  5. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.528
  6. ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1154
  7. ^ a b c d e f g 門田裕一 (2017)『改訂新版 日本の野生植物 5』「キク科キク亜科キオン連」pp.311-312
  8. ^ a b c 井上健「コウリンカ」『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』p.30
  9. ^ 北村四郎 (1981)『日本の野生植物 草本III 合弁花類』「キク科」p.182
  10. ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』p.133
  11. ^ こうりんくゎ、牧野日本植物図鑑(初版・増補版)インターネット版、高知県立牧野植物園
  12. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』pp.1493-1494
  13. ^ コウリンカ、日本のレッドデータ検索システム、2021年11月07日閲覧
  14. ^ タカネコウリンギク 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  15. ^ タカネコウリンギク(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  16. ^ タカネコウリンギク(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  17. ^ a b 矢原徹一「タカネコウリンギク」『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』p.30
  18. ^ タカネコウリンギク、日本のレッドデータ検索システム、2021年11月07日閲覧

参考文献

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本III 合弁花類』、1981年、平凡社
  • 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』、2003年、山と溪谷社
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 矢原徹一他監修『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』、2015年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
  • 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  • 日本のレッドデータ検索システム

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