キリスト教・ヨーロッパ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:17 UTC 版)
キリスト教では、聖書に基づいて夫にいくつもの務めを求めている。 出来うる限り完璧で神聖で高潔な生活を持って、自らの妻を神に示すこと。 自らの命をもって、身体的、感情的、精神的に妻を守ること。 妻を自分自身よりも大事なものとして自らの命を「横たえる」こと。 妻と家族を最善へ導くこと。 神の力の元で、あれるかぎりの最良の存在であること。 妻から自らの身体を抑制しないこと。 古代ローマから近代にいたるヨーロッパのキリスト教を中心とする社会においては、夫は自らの妻子や召使、家畜を保護し扶助する義務があった。また父親としての夫は、母親としての妻よりもはるかに大きな子に対する権威を有していた。この文化圏においては、複婚は認められず一夫一婦制が大原則であった。 中世から近世のヨーロッパでは恋愛結婚は珍しかったが、近代以降はその重要性が語られるようになった。恋愛結婚が一般化するまでは、夫は法的な独立性のない妻よりも大きな社会的影響力を有していた。 世俗化が進んだ現在のヨーロッパでは、夫婦は平等な権利を有するとされている。民事婚においては、男女問わずより裕福な配偶者がもう一方に扶助料を提供し、これは夫婦が離婚した後も継続されるのが一般的である。 それぞれの配偶者は、相手が無能力状態(昏睡状態など)に陥った場合、その法的代行を務めることが認められている。また夫は、妻の産んだ子を自身の実子であると認知した場合、その子供に対する責任を負う。
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