キューバとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 07:50 UTC 版)
「ニコラス・マドゥロ」の記事における「キューバとの関係」の解説
ベネズエラは協定に基づいて何年にもわたってキューバに補助金付きで原油を送っている。2018年7月の第一週にはベネズエラは50万バレルの原油をキューバに送っており、1日あたりの計算だと55000バレルに及ぶ。この量は年間12億ドルに相当する。キューバ政府はこの一部を国際市場で転売し利益を上げている。ベネズエラの経済崩壊と原油生産の大幅な落ち込みによって送る量こそ減っているものの、マドゥロはどれほど国民が窮乏しようと、この社会主義連帯だけはやめようとしない。 その理由はマドゥロが諜報をキューバに依存しているためだという。アメリカ・ワシントンのInter American Trendsのアントニオ・デ・ラ・クルス(Antonio De La Cruz)によれば、マドゥロ政権が存続可能なのはキューバがベネズエラ国内で諜報活動をして野党や軍部の動きをマドゥロに伝えているためだとし、「キューバからの諜報活動の支援がなければ、マドゥロ政権はもっと前に崩壊していた」と述べている。 ベネズエラがキューバに諜報を依存するようになったのはチャベス時代からだった。チャベスは諜報だけでなく、キューバとの間にキューバ人医療従事者による医療サービスの提供を受けるBarrio Adentroという協定を結んで医療もキューバに依存した。この医療と諜報の報酬として原油をキューバへ送るようになった。医療依存については経済崩壊するベネズエラを嫌ってコロンビアへ逃れるキューバ人医療従事者たちが急増していることで減少しているが、諜報分野はいまだに大きくキューバに依存している。 アメリカ政府もキューバがマドゥロを支えてきたと考えている。アメリカ大統領ドナルド・トランプはマドゥロを「キューバの操り人形」と断じている。国家安全保障担当大統領補佐官ジョン・ボルトンも「キューバがベネズエラで市民の弾圧を支援していることは明白だ」と語っている。米政府はベネズエラと連携するキューバへの圧力を強める目的で2019年3月5日にキューバに対してキューバ革命で接収した財産の損害賠償請求を起こせるようにすることを発表している。 マイク・ポンペオ米国務長官によれば2019年4月30日に首都カラカスで軍人の蜂起があった際、マドゥロはキューバへの脱出を検討したが、ロシアに止められたという
※この「キューバとの関係」の解説は、「ニコラス・マドゥロ」の解説の一部です。
「キューバとの関係」を含む「ニコラス・マドゥロ」の記事については、「ニコラス・マドゥロ」の概要を参照ください。
- キューバとの関係のページへのリンク