ガリシア地方・アストゥリアス地方・カンタブリア地方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 23:32 UTC 版)
「スペインワイン」の記事における「ガリシア地方・アストゥリアス地方・カンタブリア地方」の解説
スペイン北西部のガリシア地方南部はポルトガルと国境を接しており、国境を挟んで南側のミーニョ地方(英語版)はポルトガル有数の白ワイン・ロゼワインの生産地域である。降水量と海風が特徴であり、酸味の強い白ワインを多く生産している。 大西洋沿岸部のリアス・バイシャス (DO)は大衆向けワインを生産する期間が長かったが、1980年代半ば以降にアルバリーニョ種を用いた白ワインが国内外で評価を高め、スペイン有数の白ワイン生産地域となった。リアス・バイシャスの栽培面積の9割はアルバリーニョ種であり、果実味と心地よい酸味が称賛されている。 リアス・バイシャスのほかには、大西洋からミーニョ川を100kmほど遡った地域にあるリベイロ (DO)なども名醸地として知られている。シトー修道会によってブドウが栽培されたリベイロは、ヘレスより早く国際的に名を知られたワイン産地であり、1588年にスペインがアルマダの海戦に敗れるまでは、その多くがイギリスに輸出されていた。フィロキセラの蔓延後に植えられた土着品種で評価を落とし、1980年代以降にはリアス・バイシャスに主役の座を奪われた。 ガリシア地方北部・アストゥリアス地方・カンタブリア地方・バスク地方を含むイベリア半島北岸部、エスパーニャ・ベルデ(緑のスペイン)と呼ばれる地域は、降水量が多いうえに日照時間が短く、ブドウの栽培にあまり適していないとされている。それでも、この地域はキリスト教徒によるレコンキスタがもっともはやく完了した地域であり、歴史的には多くの土地がブドウ栽培に充てられた。1889年にはスペイン北西部の11県に計14万5000ヘクタールのブドウ畑があり、スペイン南部よりもはるかに多くのワインを生産していたが、19世紀末のフィロキセラ蔓延後にはほとんどのブドウ畑が再興されなかった。カンタブリア地方では1857年に2,225ヘクタールあったブドウ畑が1922年には61ヘクタールにまで減少していたが、2000年代になって緩やかに回復し、2009年には130ヘクタールとなっている。カンタブリア地方とアストゥリアス地方にあるDO産地は合わせて1つだけであり、アストゥリアス地方ではワインよりもシードラ(リンゴ酒)が優勢である。
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