ガウンと角帽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 06:06 UTC 版)
「セント・アンドルーズ大学 (スコットランド)」の記事における「ガウンと角帽」の解説
学生は大学のセレモニーの際にキリストの血を象徴しているといわれる赤いガウンを着用し、院生は学士卒業の際の大学のガウンを着用することが勧められているが、セント・アンドルーズ大学の修士ガウンを着用するものも多い。 しかし、2013年に開校600年のプログラムの一環として、院生には他大学の卒業時のガウンを着用する事を引き続き勧めているが、ガウンが無い大学出身者等が着用する院生専用のガウンが制定され、学士保持者が修士ガウンを着用するという矛盾は無くなった。が、セント・アンドルーズ大学で修士号を得た学生がそのまま大学院に進む場合、当然の事ながら、卒業式の際のガウンを着用する事となっている。 ちなみに、ほとんどの学部生が赤いガウンを着用するのに対して、神学部だけは黒いガウンを着用する事が規定されており、神学部の学部生が赤いガウンを着用する事は無い。これは、過去、神学部で学ぶ事が出来たのは、科目は特に規定はないが、学士、あるいは修士の称号を持つ学生しか受け入れず、事実上神学部は大学院であった事から、学部生は伝統を引き継ぎ、セント・メアリー・カレッジ専用の黒いガウンを身に着ける事が規定されており、神学部以外の学生が黒いガウンを身に着ける事は許可されていない。ただし例外として、学生会の委員たち、大学から認可されたクラブの部長と副部長はクラブ専用のガウンがある場合、一般学生が着用する赤いガウンや黒いガウンを着用しなくても問題ない。 神学部は伝統を重んじるため、神学学士の方が神学修士よりも上位の学位と規定されている。理由は神学修士課程は高校を終えた学生が直接神学部に入れるのに対して、神学学士課程は伝統的に科目は問わないが、学士号か修士号を保持していなければ神学学士課程には進めないからである。 また、キリスト教の長老派であるスコットランド国教会で牧師を目指すには、スコットランド国教会から分裂したスコットランド自由教会の牧師候補のように神学校に行く事は必須ではなく、特に教科の指定は無いが、学士号、あるいは修士号保持者であることが必須条件であり、神学部には他大学よりも多くの牧師候補者が在籍している。牧師候補者は神学学士号、または博士(神学)号の取得が要求される。下位の神学修士号保持者にも同じ要件が求められ、神学学士号あるいは博士(神学)号のどちらかを取得しなくてはならない。このように、セント・アンドルーズ大学神学部は牧師育成機関という側面を持ち合わせている。 それぞれの学年によってトレンチ・ハット(角帽)につける房の色が違う(1年・青、2年・赤、3年・黄、4年以降・黒)が1892年に初めて女性が大学に入学を許可された際に生徒が反対するためのデモとして彼らの角帽を海に投げ捨てたという伝統に則って、現在も男子生徒は角帽を被らない。
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