カラー鋼板の劣化と補修
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/19 05:33 UTC 版)
「カラー鋼板」の記事における「カラー鋼板の劣化と補修」の解説
屋外使用のカラー鋼板では、太陽光線、風雨、温度変化、大気中のごみや硫黄酸化物・窒素酸化物などの影響で、徐々に表面の塗膜が劣化し、最終的には原板に錆が発生する。その過程は概ね次のようになっている 光沢が劣化する 色調が変化する チョーキング(白亜化)…塗膜が劣化し、チョークの粉状の物質が出てくる 塗膜のふくれ 白錆の発生 赤錆の発生 こうした現象がどのぐらいの期間で発生するかは、その鋼板の品質と、周辺環境で大きく左右される。一般的なポリエステル樹脂系に比べ、フッ素樹脂系の方が劣化の進行は遅い。また、住宅に用いる場合では、屋根よりも軒下の方が劣化が早い傾向にある(軒下は付着した汚れが雨で流されないため、錆びやすい)。また、不適切な施工があった場合には、鋼板の品質にかかわらず劣化が急速に進行することがある。 塗膜のふくれが発生している状況では、原板のめっき層の消耗はほとんど無いため、この段階で適切な補修(塗り替え)を行えば、鋼板としての寿命を飛躍的に延ばすことが可能になる。一方、赤錆が発生する段階では、既に原板そのものの劣化が進んでおり、補修効果はあまり期待できない。 塗り替えにあたっては、カラー鋼板の塗膜と相性のよい補修用塗料を選択する必要がある。小規模な補修であればDIYで十分に対応可能だが、屋根全体を塗り替えるような大規模な補修は、信頼のおける専門の業者に作業を任せた方が無難。ただし、屋根の劣化の程度と、行う補修内容については、十分な検査と説明を受け、理解した上で実施することが望ましい。 なお、日本鉄鋼連盟の亜鉛鉄板委員会では、会員企業が製造する屋根用カラー鋼板について、一定の条件に基づいて材料の標準保証を定めている。補償方法は、各製造メーカーが個別に定めている。 JIS G 3322…建築施工後、材料の腐食による穴あき及び赤錆がないこと JIS G 3312/3318…建築施工後、材料の腐食による穴あきがないこと 保証期間…建築施工後10年間(製造後6ヶ月を越えた製品で施工したものは、製造後6ヶ月から数えて10年間) 保証条件…適切な環境で使用されていること。加工・施工・設計が適切に実施されていること。
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