オオバアサガラとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > オオバアサガラの意味・解説 

オオバアサガラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 07:39 UTC 版)

オオバアサガラ
福島県浜通り地方 2017年6月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
: ツツジ目 Ericales
: エゴノキ科 Styracaceae
: アサガラ属 Pterostyrax
: オオバアサガラ P. hispidus
学名
Pterostyrax hispidus Siebold & Zucc. (1846)[1][2]
シノニム
  • Decavenia hispida (Siebold & Zucc.) Koidz.[1]
  • Decavenia japonica Koidz.[1]
  • Decavenia micrantha (Siebold & Zucc.) Koidz.[1]
  • Halesia hispida (Siebold & Zucc.) N.E.Br.[1]
  • Pterostyrax micranthus Siebold & Zucc.[1]
和名
オオバアサガラ(大葉麻殻)[3][4]

オオバアサガラ(大葉麻殻[5]学名: Pterostyrax hispidus)は、エゴノキ科アサガラ属落葉小高木[3][4][6]

名前の由来

和名オオバアサガラは「大葉麻殻」の意で、葉が大きいアサガラのこと。アサガラとは「麻殻」の意で、樹木の材質がもろく折れやすい皮をはいだ麻の茎「おがら」のようであることからによる[4]

種小名 hispidus は、「剛毛のある」の意味[4]

分布と生育環境

日本では、本州(宮城県以南[7])、四国、九州(中北部と対馬)に分布する[3][4][6]。国外では、中国大陸中部に分布する[3][6]。山地の谷沿いなどの湿った場所に生育する[8]

形態・生態

落葉広葉樹の小高木から高木[8][5]は直立し、分かれして、樹高は8 - 10メートル (m) になる[5]樹皮は淡黒色から暗灰色で、生長とともに浅く縦に裂け目ができる[5]。一年枝は黄褐色で、ほぼ無毛である[5]。若い枝は折れやすく、ほとんど無毛で皮は糸状にはがれる[8]互生し、葉身は楕円形、やや倒卵状楕円形または長楕円形から卵状長楕円形で、長さ10 - 25センチメートル (cm) [8]、幅5 - 8 cm、先は急鋭頭から鋭尖頭、基部は鋭形またはやや円形、縁には腺状の細かい鋸歯がある。葉質は薄く、裏面は灰白色で微細な星状毛におおわれ、特に葉脈沿いに白長毛があり、主脈と8 - 12対の側脈が隆起する。葉柄は長さ5 - 22ミリメートル (mm) になる[3][4][6]

花期は6月[8]。枝の先端に垂れ下がった円錐花序をつけ、花序は長さ13 - 20 cmになり、下向きに白色のを多数つける[8]花柄はごく短い。は鐘形で5裂し、萼裂片は三角形になる。花冠は長さ6 - 7 mmで基部まで5深裂し、離生した花弁は長楕円形で星状毛がある。雄蕊は10個あって花冠より長く、花糸の内側に長毛が生える。雌蕊は1個で雄蕊より少し長く、先端部以外に長毛がある。アサガラより花は小さい[8]果実は狭倒卵形の核果となり、宿存する萼に包まれ、長さ約7 - 10 mmで10稜があり、淡褐色の長毛が密生し、先端に長い嘴状の花柱が残存する[3][4][6]。果実は果序ごと枝にぶら下がる[5]

冬芽は小枝に互生し、形は長卵形で、特に頂芽は細長く先端が尖る[5]側芽は頂芽よりも小さい[5]。芽鱗は早くに落ちて裸芽となり、表面には星状毛が密生する[5]。葉痕にはU字形の維管束痕が1個つく[5]

利用

材がやわらかいのでマッチの軸木などに利用される[8]。材に淡黄白色の美しい絞り模様があるため、床柱などの装飾用に使用されることがある[3]

脚注

参考文献

  • 大橋広好・門田裕一・木原浩ほか 編『日本の野生植物』 4巻(改訂新版)、平凡社、2017年3月。ISBN 978-4-582-53534-1 
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、65頁。 ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、225頁。 ISBN 4-522-21557-6 
  • 牧野富太郎 原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男 編『新牧野日本植物圖鑑』北隆館、2008年11月。 ISBN 978-4-8326-1000-2 
  • 茂木透 写真、石井英美ほか、高橋秀男・勝山輝男 監修『樹に咲く花:合弁花・単子葉・裸子植物』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑 5〉、2001年7月。 ISBN 4-635-07005-0 




このページでは「ウィキペディア」からオオバアサガラを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からオオバアサガラを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からオオバアサガラ を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オオバアサガラ」の関連用語

オオバアサガラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オオバアサガラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオオバアサガラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS