エルジーシー1【エルジーシー1】(食用作物)
※登録写真はありません | 登録番号 | 第10469号 |
登録年月日 | 2002年 9月 4日 | |
農林水産植物の種類 | 稲 | |
登録品種の名称及びその読み | エルジーシー1 よみ:エルジーシー1 |
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品種登録の有効期限 | 20 年 | |
育成者権の消滅日 | ||
品種登録者の名称 | 独立行政法人農業生物資源研究所 | |
品種登録者の住所 | 茨城県つくば市観音台二丁目1番地2 | |
登録品種の育成をした者の氏名 | 天野悦夫、飯田修一、矢頭治、西尾剛、平岩進、田中幸彦 | |
登録品種の植物体の特性の概要 | ||
この品種は、出願者所有の「ニホンマサリ」のエチレンイミン処理突然変異系統「NM67」に「ニホンマサリ」を交配して育成された固定品種であり、育成地(茨城県那珂郡大宮町)における成熟期は中生の早、低グルテリン性の水稲、粳種である。 草型は偏穂数、稈長はやや短、細太及び剛柔は中、止葉の直立の程度はやや立、葉身及び葉鞘の色は緑である。穂長は中、穂数はやや多、粒着密度はやや疎、穂型は紡垂状、頴毛の有無と多少は中、頴色は黄白、ふ先色は黄白-黄、護頴の色は白である。芒の有無と多少は稀、芒長は短、芒色は黄白-黄である。玄米の形は中、大小はやや大、精玄米千粒重はやや大、玄米の見かけの品質は中の中、腹白の多少は中、胴割の多少はやや多である。水稲・陸稲の別は水稲、粳・糯の別は粳、出穂期及び成熟期は中生の早、穂発芽性は中、耐倒伏性はやや強、脱粒性は難である。葉いもちほ場抵抗性はやや強、グルテリン含量は低である。 「ニホンマサリ」と比較して、グルテリン含量が低いこと等で、「コシヒカリ」と比較して稈長が短いこと、耐倒伏性が強いこと等で区別性が認められる。 | ||
登録品種の育成の経過の概要 | ||
この品種は、昭和63年に農業生物資源研究所放射線育種場(現独立行政法人農業生物資源研究所、茨城県那珂郡大宮町)において、出願者所有の「ニホンマサリ」のエチレンイミン処理突然変異系統「NM67」に「ニホンマサリ」を交配し、以後、平成2年に個体選抜を行い、3年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。 なお、出願時の名称は「放育系LGC-1」であった。 |
エルジーシー1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/11 15:31 UTC 版)
エルジーシー1 | |
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属 | イネ属 Oryza |
種 | イネ O. sativa |
交配 | NM67×ニホンマサリ |
亜種 | ジャポニカ O. s. subsp. japonica |
品種 | エルジーシー1 |
開発 | 農業生物資源研究所 |
エルジーシー1は、2001年(平成13年)に農業生物資源研究所の放射線育種場で育成されたイネ(稲)の品種[1]。数字の「1」は「ワン」と読む[2]。
「ニホンマサリ」を父、その低グルテリン突然変異系統である「NM67」を母とする交配によって育成された[1][2][3]。低グルテリン米の一つ[1]。旧系統名は「LGC1」である[3]。
特性
熟期は「ニホンマサリ」と同じく関東地方では中生の早[1]。収量も「ニホンマサリ」並の多収[1]。その他の特徴も、低グルテリンである以外は「ニホンマサリ」の特徴を受け継いでいる[1]。栽培後期の窒素追肥は、総タンパク質含有率を上げる影響があるため避ける必要がある[1]。
通常米と比べて、可消化性タンパク質であるグルテリンが5割から7割低く、非消化性タンパク質であるプロラミンが2倍となっている[1]。消化されにくいタンパク質の割合が増加しているため、通常米と総タンパク質含有率は変わらないものの、実質的な低タンパク米となっている[1]。タンパク質摂取制限のある慢性腎不全患者を対象とした臨床試験では、特に米食の多い患者で有効性が確認されており、食事療法の幅が広がることが期待されている[1]。
「エルジーシー1」からは、「春陽」など栽培性や食味を向上させた低グルテリン米品種が各地で生まれており、グルテリンに加えて可消化性タンパク質のα-グロブリンの含有率も少ない「エルジーシー活」「エルジーシー潤」といった品種も育成されている[1]。
関連品種
子品種
孫品種
脚注
参考文献
- 石谷, 孝佑 編『米の事典 -稲作からゲノムまで-』(新版)幸書房、2009年11月20日。ISBN 9784782103388。
- 副島, 顕子『酒米ハンドブック』(改訂版)文一総合出版、2017年7月31日。ISBN 9784829981535。
関連項目
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