エネルギー源と冷却の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 01:30 UTC 版)
「指向性エネルギー兵器」の記事における「エネルギー源と冷却の問題」の解説
レーザー光を発生させるのに必要なエネルギー源として電力を使用するタイプのものは、大きな電力を要求する。エネルギーを蓄え、伝導し、変換して指向するという現状の方法では、簡便で携行可能なレーザー兵器を開発するのは困難である。現状のレーザーは大量のエネルギーを熱として浪費してしまい、加熱による装置の損傷を避けるには、未だに大きな冷却設備を必要とする。空冷式では受容できないほどの射撃間隔の拡大をもたらす。現用のレーザー兵器の実用化を制限するこれらのエネルギー源と冷却の問題は、以下の事項により相殺される可能性がある。 安価な高温超伝導物質によりエネルギーロスを減少させ兵器をより効率的なものとする。 より簡便な大容量の電力供給・充電装置。レーザー光を発振させて余ったエネルギーの一部は装置の冷却に有効に使用される。 電力をエネルギー源に用いないレーザーとして化学レーザーがある。化学レーザーは化学反応により発生するエネルギーを利用する。過酸化水素にヨウ素を組み合わせる化学酸素ヨウ素レーザー(COIL)と、重水素原子にフッ素を反応させるフッ化水素レーザーは、メガワット級の連続的なレーザー光を出力可能な化学レーザーである。化学レーザーに用いる化学物質の管理にもいくつか問題がある。そのほか冷却及び全体の効率性の悪さの問題がある。 この問題はまた、発電所の近くに兵器を設置するか大きな電力を発生できる大きな艦船か可能ならば原子力水上艦に搭載することで、軽減されうる。艦船には冷却用の水が豊富という長所がある。
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