イラン革命防衛隊の突入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 07:03 UTC 版)
「クウェート航空221便ハイジャック事件」の記事における「イラン革命防衛隊の突入」の解説
事件発生から5日目の9日午後2時過ぎ、空港当局は非常事態を宣言し、221便の周辺から消防車、救急車を退避させた。 午後4時半、犯人は「今後、食物と水の供給は受けない。クウェート政府は誠意を示さないので機体を爆破する。これは最後通告だ」と告げた。クウェート人乗客は「犯人が爆薬に導火線を取り付けた」と管制官に伝えた。 犯人はクウェート、イラン政府に代替機を用意するよう求めた。操縦室の窓ふたつが銃弾で壊れていたのである。しかし、両政府とも無視した。 午後9時、犯人は乗客7人を解放し、「以後は何があっても解放しない犯罪者だ」と通告した。一方、この日の午後、イラン政府は駐イランのアラブ諸国大使を空港に招き、人質救出のため強硬手段を採る旨を伝えた。 9日午後11時40分過ぎ、犯人から医者と清掃員を送るよう要求があった。清掃には掃除機を使うため地上電源車が必要だった。突入隊は電源車の陰に潜んで221便に接近した。 午後11時45分、革命防衛隊のメンバー3人が清掃員に変装して機内に入り、医者が来たことを犯人に告げた。この時、電源車の陰にいた隊員がタラップを駆け上がって機内に発煙筒を投げ込んだ。銃撃戦になったが、すぐに終わった。犯人は手を挙げて降伏し、隊員に殴られたのか顔が腫れていた。 人質の機長、アメリカ人2人、アラブ人4人は座席に縛り付けられ、周囲には爆薬がびっしり置かれていた。爆発物処理班が機内に入り、処理した。爆発まであと15分しかなかったという。 殺害された人数は多数に上るとみられていたが、実際は2人だけであった。140時間にも及んだハイジャック劇は幕を閉じた。
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