アーサー王の死における湖の乙女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/17 02:29 UTC 版)
「湖の乙女」の記事における「アーサー王の死における湖の乙女」の解説
『アーサー王の死』における「湖の乙女」の行動をほぼ時系列順に紹介する。 エクスカリバーをアーサー王に渡す ペリノア王との戦いに敗北し、剣を折られたアーサー王に対し新しい剣(一般的にエクスカリバーと称される二本目の剣)を渡した。このとき、アーサー王に対し、「将来、自分の願いをなんでもいいから必ず一つかなえる」と約束させたとするものもある。 ベイリン卿に殺害される エクスカリバーをアーサー王に渡した際の約束に基づき、ベイリン卿、あるいはベイリン卿の剣を持ってきた乙女の首をアーサー王に要求した。「湖の乙女」に恩があるアーサー王が悩んでいると、この要求に激怒したベイリン卿により、「湖の乙女」は首を刎ねられてしまう。詳細は不明だが、この「湖の乙女」は過去にベイリン卿の母親を殺害したことがあるらしい。また、これ以降も「湖の乙女」は相変わらず登場するため、「湖の乙女」が一人であったと考えることは困難である。 ランスロット卿の養育 父であるベンウィックのバン王の死後、彼に代わって18歳までランスロット卿を養育した。ランスロット卿の異名、「湖の騎士」はこれに由来している。ただ、版によればランスロット卿の母親から、ランスロット卿を強奪するというものもあり、まったくの善意から孤児を助けたというわけではないともいえる。 ペリノア王の冒険に登場する アーサー王とグィネヴィア王妃の結婚式のとき、唐突に「白い鹿」と、「猟犬」、「乙女」が登場し、消えた。そこで、「白い鹿」はトー卿が、「猟犬」はガウェイン卿が、「乙女」はペリノア王が探索に出かける。このときの「乙女」はマロリー版では「湖の乙女」であったということになっている。 マーリンを監禁する アーサー王とグィネヴィア王妃の結婚式に、突然白馬に乗って宮廷に現れ、「湖の乙女」に惚れたマーリンは、自分の知る魔法の全てを「湖の乙女」に伝えた後、嫌悪ゆえか、彼女はマーリンを魔法で魔法の森や空中楼閣に監禁してしまう。これがアーサー王の国力を大きく削ぐこととなった。 ペレアス卿と恋人になる あるとき、ペレアス卿は恋の仲介をガウェイン卿に頼んだのだが、ガウェイン卿はペレアス卿の意中の婦人と同衾してしまう。これに激怒し、悲しみのあまり放浪していたペレアス卿に恋をした「湖の乙女」はペレアス卿に接近し、恋人同士になった。ペレアス卿に恋するあまり、「湖の乙女」は彼に危険が及ばないよう、槍試合においてはランスロット卿と同じチームにつかない限り、試合場にたどり着けないとの魔法を掛けた。このような「湖の乙女」の保護を得てか、ペレアス卿は安楽な最期を迎えることができたという。 エクスカリバーの帰還 カムランの戦いで瀕死の重傷を負ったアーサー王の代理人であるベディヴィアからエクスカリバーを回収した。このシーンが「アーサー王の死」を始めとするアーサー王物語の最後にかかわるシーンである。 アーサー王をアヴァロン島へ導く アーサー王の死に際し、ヴィヴィアン、ニミュエ及びアーサー王の異父姉・モーガン(モルゲンや妖精モルガナ)が重傷を負ったアーサー王をアヴァロン島へと連れて行った。
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