アーサー王との決裂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 01:02 UTC 版)
ある日、ランスロットとグィネヴィアは、不義密通の現場を、円卓の騎士でありガウェインの弟であるアグラヴェインと12人の円卓の騎士に踏み込まれてしまう。この時ランスロットはアグラヴェインと12人の騎士たちを殺害してしまった。 王妃グィネヴィアは不義の罪で火刑に処せられるべく、刑場に引き出される。そこをランスロットは急襲し、警護に当たっていた多数の円卓の騎士たちを殺してグィネヴィアを救出する。この際に、ガウェインの弟ガヘリス(とガレス)を殺してしまう。ランスロットを敬愛する二人は、グィネヴィアを救出しにやって来る彼を傷つけないよう、丸腰であった(正確には、グィネヴィアの処刑に反対だったガレスとガヘリスは、アーサー王の命令に仕方なく従ったことを周囲に示すために平時の服装で丸腰のまま王妃の処刑に立ち会った)。三人の弟を失ったガウェインはランスロット討伐を強硬に主張するようになる。 ランスロットとグィネヴィアを追討するために、アーサー王は国中に触れを出すが、人望あるランスロットを助けるべく、円卓の騎士の半ばまでがアーサー王の命に従わなかった。こうしてランスロットとアーサー王を巡って円卓の騎士は二つに割れてしまう。 結局、アーサー王はランスロットとグィネヴィアの篭る城「幸福の護り」を落とすことが出来ず、ランスロットも自らが原因で円卓の騎士が二分してしまったことを後ろめたく思っていた。ランスロットは、アーサー王が一騎討ちを挑んできても、それに応じなかった。また、ある時はランスロット側についた円卓の騎士ボールスがアーサー王を打ち倒した。ボールスは剣を抜いてアーサー王の首を掻こうとしたが、ランスロットはそれを止めて王の命を助けた。 ロチェスター僧正の仲裁でグィネヴィアはアーサー王のもとに返され、一年間の休戦となった。ランスロットとランスロット派の円卓の騎士たちはフランスへと渡る。そこでランスロットはエクター・ド・マリス、ブレモア、ボールス、ライオネル、ラヴェインといった味方する円卓の騎士たちに、自らと同じだけの広さの領地を与えて報いた。
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