アルコール飲料製造への利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 07:35 UTC 版)
「ソーセージノキ」の記事における「アルコール飲料製造への利用」の解説
ケニアのキクユ人はソーセージノキの実を、サトウキビ酒を作る際の発酵のために用いる。サトウキビ酒はジョーヒ(キクユ語: njohi)あるいはソーセージノキを意味する語からとってムラチナと呼ばれる。ソーセージノキの実はまず天日干しの後2つに縦割りされて種が取り除かれ、煮沸される(あるいは焙られる)が、この際水は2-3回取り換えられる。果実は再び茶色になるまで天日干しされたのち、少量のサトウキビの搾り汁に漬けられて1日か2日暖かい場所で菌の培養がなされる。発酵した汁を捨て、実を再度天日干しにすれば、続けて酒造りに使うことができる状態となるが、発酵が終わった後にはその都度天日干しにしなければならない。生あるいは十分に乾燥していない状態の果実は下痢の原因となり得るため、こうしたものが混入した酒を飲んでしまった場合は下痢を起こす恐れがある。酒造りに使われる状態の実はケラーティナ(キクユ語: kĩratina)と呼ばれる。干した実は樽の底に小枝で固定され、サトウキビ汁が加えられて、2、3日の間暖かい場所で菌が培養される。サトウキビ汁は希釈されることが多く、発酵の温度は30-35℃である。微生物による発酵で生み出される熱は木の樽が保ち、また樽をほぼ満杯にすることで、発酵の過程で生じる二酸化炭素に覆われて無酸素状態が保たれる。味と気体の成熟具合を見て完成したと判断される。この発酵過程において、果実は風味づけや次いで起こる発酵のイノキュラム(英語版)、つまり発酵を開始させるスターターとしての役割を果たしているものと考えられている。ムラチナは農園で働く男性の労働者に振る舞われ、男同士で一日の労をねぎらい合う宴会が行われることもしばしばであるが、女性や子供は飲むことを許されていない。
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