アルコールと水素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:27 UTC 版)
現在の化石燃料の需要は燃料としての水素へ移行するとおもわれ、水素経済とでもよばれる状況を形成しつつある。ある説によると、水素そのものは燃料資源としてみなされるべきではないという。この説によれば、水素は(太陽光発電、バイオマス、あるいは化石燃料といった)エネルギー源とエネルギーを使用する場所のあいだに存在する一時的なエネルギー貯蔵媒体であるという。実際水素はガス状態にあると、他の燃料に比べて膨大な容積を占め、エネルギー配送の点に関して非常に難しい問題になっている。1つの解決方法としてエタノールを使って水素を配送する方法がある。それは配送先で水素再生(hydrogen reform)により水素を結合している炭素から遊離させ、燃料電池へ供給する方法である。ほかの方法としてエタノールを直接燃料電池の燃料として供給する方法もある。 2004年初めには、ミネソタ大学の研究者は単純な構造のエタノール燃料電池を開発したと発表した。それは、触媒層にエタノールを透過させて必要な水素を燃料電池に供給するのである。装置は一段階目の反応にロジウム-セリウム触媒を使用するが、そのとき反応温度は約700℃に達する。一段階目はエタノールと水蒸気の混合物と酸素を反応させ十分な量の水素を発生させる。あいにく、副生成物として一酸化炭素が発生し、この物質が燃料電池を詰まらせる。なので別の触媒を透過させてそれを二酸化炭素に変換する。最終的には、この単純な装置はおおよそ50%の水素と30%の窒素からなるガスを生産する。残りの20%は主成分は二酸化炭素である。不活性な窒素と二酸化炭素とともに水素の混合ガスは適当な燃料電池にポンプで送られる。その後、二酸化炭素は大気中に放出され、植物により再吸収されることになる。
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