アメリカにおける歴史 - 言語病理学に根ざした発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 14:52 UTC 版)
「言語聴覚士」の記事における「アメリカにおける歴史 - 言語病理学に根ざした発展」の解説
さらに、アメリカでは、ヨーロッパの学識を取り入れながらも独自の発達を見せた。IALPが発足した翌1925年には、言語病理学を専門とする医師やセラピスト、研究者からなる団体であるアメリカ言語聴覚協会(ASHA)の前身団体が誕生した。切替は、当時のアメリカの言語病理学の発展をこう記している。 (ドイツのような)医学的、生理学的な面だけでなく、社会医学的、心理学的、精神神経学的な要素が包含されたものとなり、人間をより社会的、人間的なものとして取り扱うようになっている。換言すれば、現実問題としての障害による不自由さを、どのように処理するかという治療の実践に重点が置かれるようになった。 こうしたアメリカでの発展の大きな契機となったのが、第二次世界大戦である。聴覚障害を引き起こした兵士たちのリハビリテーションが大きな問題となったのである。1万5千人の兵士が治療と訓練を受けることになり、言語病理学、耳鼻学、リハビリテーション技術等の専門家が担当した。そこで、これらの分野を総合するオーディオロジーが誕生し、その専門家であるオージオロジストが誕生したのである。 こうして、戦後、全米の主要な大学院にオーディオロジストの養成コースが設置され、教育機関にも配置されるようになった。1965年には、聴覚の専門家(オーディオロジスト、聴覚療法士)と言語病理の専門家(スピーチ・ランゲージ・パソロジスト、言語療法士)に資格が分かれたが、いずれも、やはり、修士号かそれと同程度の教育内容を修了することが資格基準となった。さらに、聴覚療法士については、2007年から博士号(Au.D.ないしPh.D.)の取得が求められるようになった。
※この「アメリカにおける歴史 - 言語病理学に根ざした発展」の解説は、「言語聴覚士」の解説の一部です。
「アメリカにおける歴史 - 言語病理学に根ざした発展」を含む「言語聴覚士」の記事については、「言語聴覚士」の概要を参照ください。
- アメリカにおける歴史 - 言語病理学に根ざした発展のページへのリンク