アミナ・ラワル事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 20:30 UTC 版)
「ハウワ・イブラヒム」の記事における「アミナ・ラワル事件」の解説
2002年に同じように離婚後の出産により姦通罪に問われ、石打ちによる死刑判決を受けたアミナ・ラワルの事件はさらに大きな反響を呼び、全世界で抗議の声が上がった。カツィナ州フントゥア(英語版)のシャリーア法廷が控訴審で第一審の死刑判決を支持し、控訴棄却判決を下したからである。傍聴席から一斉にアッラーフ・アクバル(アッラーは偉大なり)の声が上がった。 これに対して、フランスでは反人種主義・諸民族間友好促進運動(MRAP)の会長が、「このように野蛮で中世的な判決」を下したナイジェリアを国際社会から追放すべきであると訴え、フランス人権連盟のミシェル・テュビアナ(フランス語版)会長は、このような慣習に抗議するよう、アフリカ連合に呼びかけた。ローマに本部を置き全世界で死刑廃止運動を行っている「ハンズ・オフ・カイン」など他の人権擁護団体もオバサンジョ大統領に介入を要求した。また、人権活動家らに限らず、たとえば、2002年11月30日にナイジェリアの首都アブジャで開催される予定であったミス・ワールド大会の各国代表者の多くがアミナ・ラワルの死刑判決に抗議して欠席を表明またはボイコットを呼びかけたため、アブジャでの開催は中止され、12月2日にロンドンで行われることになった。米国ではオプラ・ウィンフリーがトーク番組(オプラ・ウィンフリー・ショー)で「アミナ・ラワルの命を救えるか」と題する特集を組んだ。 最終的には無罪を獲得したが、イブラヒム弁護士は、判決は被告の「告白」に基づいているが、アミナ・ラワルは法廷で「あなたはこの子を出産し、しかも結婚していないのか」という問いに「はい」と答えただけであり、これは「告白」の定義から外れる、ハディースにおいてもスンナにおいても、これは「告白」とはみなされないと主張した。また、イスラム法に照らしてみても、アミナ・ラワルは裁判への弁護士の立ち合いを求めることができるが、そのような機会は一切与えられなかったという。
※この「アミナ・ラワル事件」の解説は、「ハウワ・イブラヒム」の解説の一部です。
「アミナ・ラワル事件」を含む「ハウワ・イブラヒム」の記事については、「ハウワ・イブラヒム」の概要を参照ください。
- アミナ・ラワル事件のページへのリンク