アミド結合形成の機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 04:20 UTC 版)
「カルボジイミド」の記事における「アミド結合形成の機構」の解説
カルボジイミドを用いたアミド結合の形成は1段階で進むが、その一方で様々な副反応が起こる。酸である 1 はカルボジイミドと反応し、O-アシルイソ尿素である重要な中間体 2 を生成する。2 はカルボン酸の活性エステルであり、他の物質との反応により容易に脱離し反応が進行すると考えられる。2 がアミンと反応した場合、目的の化合物である 3 と尿素誘導体である 4 を生成する。 これ以外にも 2 を出発点とした異なる反応が起き、目的のアミド縮合化合物とそれ以外の不要な副生成物が両方生成する。化合物 2 がカルボン酸 1 と反応した場合、カルボン酸無水物である 5 を生成する。この化合物 5 は活性が高いためアミンと反応し化合物 3 が生成する。不要な副生成物が生成する場合もあるが、この場合は化合物 2 が転位反応を起こし、安定な N-アシル尿素である化合物 6 を生成する。誘電率の低い溶媒であるジクロロメタンやクロロホルムを用いた場合、このような副反応を最小限に抑えることができる。 また触媒量の HOBt を加えることで、活性エステルである O-アシル化 1-オキシベンゾトリアゾール体を生成するので、HOBtと共に利用する場合が多い。
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