アミノグリコシド系抗生物質の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 02:12 UTC 版)
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Post Antibiotic Effect(PAE) 血中濃度が下がった後も一定期間効き目が持続する効果があり、十分量投与すれば一日一回投与で十分な抗菌力をえる。 濃度依存性 アミノグリコシド系の抗菌薬は濃度依存性であるので、濃度を高めるほど効果が増す。但し、中毒も起こしやすいため血中濃度のモニターが必要である。血中濃度のモニターは一日二回の採血による測定で行うことが多いが、アミノグリコシド一日一回投与の場合は、十分量投与されているという前提の下、翌日投与前の採血で血中濃度1μg/ml以下であれば中毒域には達していないという法則も使える。 シナジー効果 多剤と併用することで相乗効果が得られる。特にβ-ラクタム系抗生物質との併用が多い。特に黄色ブドウ球菌による感染性心内膜炎の場合はシナジー狙いで5日ほど投与することが多い。アミノグリコシド自体では黄色ブドウ球菌にほとんど効果はなく、これはシナジー狙いの処方である。 臨床効果 薬物動態学的な問題として肺への移行性は極めて悪く、肺炎に単独で用いても効果はない。またアルカリ性下で抗菌力が発揮されるので膿瘍など酸性の条件下では効果が低い。また嫌気環境・嫌気性菌への効果は薄い。 副作用 聴力、平衡感覚の障害が不可逆的になり、難聴や平衡機能障害になるリスクがあるので注意が必要である。腎毒性は非乏尿性の腎障害が出ることが特徴的で可逆的障害と言われているがあまりに進行すると不可逆的になる。
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