もんごういかとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 社会一般 > 名称 > もんごういかの意味・解説 

もんごう‐いか〔モンガフ‐〕【紋甲烏賊】

読み方:もんごういか

カミナリイカ市場名。特有の斑紋がある。

コウイカ科のヨーロッパコウイカ・トラフコウイカの市場名。前者ヨーロッパ・アフリカ沿岸に、後者東南アジアからインド洋にかけて産し背面虎斑(とらふ)紋がある。


もんごういか

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/22 07:26 UTC 版)

「紋甲いか」と呼ばれるカミナリイカ Sepia lycidas Gray1849

もんごういか[1][2]モンゴウイカ[3][4][5][6]紋甲いか[1]、紋甲烏賊[7])とは、コウイカ目に属する大型のイカに与えられる和名(市場名)[1][7]であり、本来カミナリイカ Sepia lycidas Gray1849を指す地方名である[1][2][4]。カミナリイカの背中に丸い紋があることから「紋甲いか」と名付けられた[1]。カミナリイカはモンゴウイカ[6][4]のほかに、モンゴイカ[8](もんごいか[7])やモンゴ[6]、その紋の様子からマルイチ[6][4](丸一[1])や、ギッチョイカ[6][4](ぎっちょいか[1])、コブイカ[4](こぶいか[1])、センドウイカ[8]などの地方名がある。

現在「もんごういか」と呼ばれるのは、アフリカ沿岸やヨーロッパ産のヨーロッパコウイカ Sepia officinalis Linnaeus1758[1][5][9][4]東南アジア産のトラフコウイカ Sepia pharaonis Ehrenberg1831[1]などが主流である。最近では輸入ものなら何でも「もんごう」と呼ばれる傾向にあり[1]、海外大型種に汎用されている[4]。トラフコウイカは大型のものがモンゴウイカと混称されており、特にアデンをトロール漁の基地としていたことから「アデンもんごう(アデンモンゴウ)」とも呼ばれる[3][2][10]

河野 (1973)では、東京では大型のマイカコウイカ Sepia esculenta Hoyle1885)を「モンゴウ」と呼んでいる[11]とあるが、実際の市場ではコウイカ類が混称されていると考えられる。

漁業史

東シナ海のカミナリイカは肉厚で好まれたが、資源が減少した[10]。それに匹敵するヨーロッパコウイカなどはいち早く「もんごう」と呼ばれ、日本のイカ市場を席巻した[10]遠洋トロール漁業が復活しアフリカから「もんごういか」が大量に輸入され、市場に流通していたが、これはヨーロッパコウイカの亜種であった[2]1959年に日本漁船によりヨーロッパコウイカの好漁場が発見され[2]、国内のコウイカ類の漁獲量を上回った[10]。その最盛期は1965年頃からで、それから10年間程度は年間10,000トンくらい漁獲しており、最も漁獲量が多かったのは1967年で、30,000トンの漁獲があった[10]1975年くらいから段々と減り[10]1982年まで続いた[2]

それに続き、1969年頃から、アラビア海アデン湾に日本のトロール漁船が集まり、イカ資源が開発された[2][10]。このトラフコウイカはヨーロッパコウイカと並び身が大きく厚く、多い年では年間10,000トン程度漁獲された[10]。現在では東南アジアのコウイカ資源が極めて大きく、トラフコウイカを含めたコウイカ類が年間30,000トン程度上がっている[10]

全世界では、コウイカ類の漁獲量は年々上がっており、最近では約300,000トン程度がされ、その10分の1程度が日本国内で漁獲されている[10]2009年現在、市場でみられる「もんごう(ヨーロッパコウイカ)」はスペインなどからの買い付けが大部分で、成田水揚げされる[10]

市場

八幡浜港で売られる「紋甲イカ」

東京都中央卸売市場日報および市場統計情報(月報)によれば、5月の取扱数量が最も多く、2015年から2019年の5年間の平均は約3,500キログラムであり、最も少ない8月の取扱量は500キログラム程度である[12]。また、2015年から2019年の5年間で卸値は8月では例年1400円から1600円程度で最も高く、5月は例年900円から1,000円程度で最も安い[13]。2020年1月の豊洲市場における平均卸価格は1キログラム当たり1,182円である[13]

料理

イカの握り寿司

身は柔らかく、刺身煮付け天麩羅や木の芽和えなどに調理される[8]。ヨーロッパコウイカは身は厚く柔らかで、ねっとりした甘さがあり、モンゴウイカとして寿司種にもされる[14]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 奥谷 2009, pp.21-23
  2. ^ a b c d e f g 奥谷 2010, pp.331-358
  3. ^ a b 奥谷 2015, p.6
  4. ^ a b c d e f g h 奥谷 2015, p.7
  5. ^ a b 奥谷 2015, p.55
  6. ^ a b c d e 日本水産資源保護協会 1986, p.7
  7. ^ a b c 『広辞苑』 p.2808
  8. ^ a b c 香川県農政水産部水産課. “モンゴウイカ”. 香川県の水産業. 香川県. 2020年4月12日閲覧。
  9. ^ 畑中 1979, p.557
  10. ^ a b c d e f g h i j k 奥谷 2009, pp.207-208
  11. ^ 河野 1973, p.170
  12. ^ 豊洲市場のモンゴウイカ(紋甲烏賊,カミナリイカ)の市況(月報) モンゴウイカの月別卸売取扱数量” (2020年2月20日). 2020年4月12日閲覧。
  13. ^ a b 豊洲市場のモンゴウイカ(紋甲烏賊,カミナリイカ)の市況(月報) モンゴウイカの月別卸売平均価格” (2020年2月20日). 2020年4月12日閲覧。
  14. ^ ヨーロッパコウイカ”. マルハニチロ. 2020年4月12日閲覧。

出典

関連項目




もんごういかと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「もんごういか」の関連用語

1
紋甲烏賊 デジタル大辞泉
90% |||||

2
雷烏賊 デジタル大辞泉
90% |||||



5
0% |||||

もんごういかのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



もんごういかのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのもんごういか (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS