イカそうめんとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 食べ物 > 料理 > 日本の郷土料理 > イカそうめんの意味・解説 

いか‐そうめん〔‐サウメン〕【烏素麺】

読み方:いかそうめん

イカそうめんのように細長く切って醤油(しょうゆ)またはつけ汁にわさびを添えた料理


イカそうめん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/23 08:30 UTC 版)

イカそうめん(割烹料理店)
添え物(つま、など)は標準的である。手前から順に、下ろし山葵、穂紫蘇(つきのシソの穂)、青紫蘇(紫蘇の青葉)。
イカそうめん(和風レストラン)

イカそうめん(同義異字:烏賊素麺いかソーメン、等々)は、生のイカ状に細く切り、醤油つゆを付けて「文字通りそうめんのように」啜って食べる日本料理[1]。北海道、特にイカの水揚げで知られる函館の名産として紹介される[1][2]

語源

「イカそうめん」は、古くから定着した言葉ではない。北海道出身の渡辺淳一『これを食べなきゃ―わたしの食物史』(1995年)によれば、当時の感覚で「最近」流行ってきた呼称で、「もとをただせば、イカ刺しを細かく切ったものに過ぎない」という[3]が、それは札幌に住む著者の経験談であり、地元の函館でいつからこの名があるかは検証を要する。これより四半世紀遡る著作で、楠本憲吉は、イカそうめんと同じく「丼一杯、生イカをトコロテンのように切って盛ったものと、土しょうがのおろしと醬油」のことを、〈海のそうめん〉と紹介する[4][5][6]。なお、海藻の紅藻類ウミゾウメン科のウミゾウメン[7]を流通段階や飲食店で海そうめんと呼ぶことがある[8]。地方によってはアメフラシの卵塊を海ぞうめんと呼ぶ[注 1]が、そちらは干物である。イカそうめんや海藻のウミゾウメンと異なり、アメフラシの卵塊を生で食べると腹を壊す[7]

特徴

イカの身を2枚あるいは3枚に分け、包丁で細切りに引いていく。文字通り「素麺のように細く」[9]とする文献もあるが、「トコロテンのよう」[4]、「幅5mm」[10]などと太さについての記述はまちまちである。

細切りは一杯に丼に盛り[9][4]、つけだれは、醤油をショウガ(生姜)と和えた生姜醤油[4][1]、あるいは、めんつゆ(麺露)[1][9]を使う。場合によっては平皿に盛られ[1][9]ワサビ醤油を用いてもよい[10]

「文字通りそうめんのようにツルツルと頂く」ものであるが[1]、上述したようにそうめんの細さ(1.7mm)とは限らず、「うどんのように食べる」とも形容されている[9]

函館などイカの水揚げ地では、鮮度の良いものは身が透き通っていて[1]、歯応えもあり、「特に、活けの状態で運ばれてきた朝とれのイカは、甘みが抜群という[1]」。種類は、夏より出回り漁獲量も多いスルメイカを使う。

食材のイカは、たいてい初夏から出回り漁獲量も多いスルメイカが用いられる[11][1][9]アオリイカヤリイカを使う料理人もいる。

一般にはパック詰めにした商品も販売されている。

脚注

注釈

  1. ^ 因幡の珍味「海ぞうめん」とはアメフラシの卵のことであり、島崎, 藤村 (1929), 山陰土産, , 山陰土産その他: 藤村紀行文集 (改造社), https://books.google.co.jp/books?id=2QHPBVRB6wsC&pg=PT20 』では藤村が浦富海岸で海そうめんを馳走になるが、別頁ではこれが「乾してある」海産物と記している。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 上村, 一真 (2008), ローカル魚で絶品ごはん, 枻出版社, pp. 31-32, ISBN 4777910733, https://books.google.co.jp/books?id=f4SqBPj0zpMC&pg=PA32 
  2. ^ 藤嶋, 栄 (1996-05), “秋田地方の歴史と秋田県人気質”, 行政監察月報 440: 1, https://books.google.co.jp/books?id=hGONAAAAIAAJ, "北海道(函館)では、「いかそうめん」" (秋田行政監察事務所長、函館、広島を歴任)
  3. ^ 川端, 晶子; 淵上, 匠子 (2006), おいしさの表現辞典, 東京堂出版,, p. 151, https://books.google.co.jp/books?id=ho8rAAAAYAAJ 
  4. ^ a b c d 楠本, 憲吉 (1970), たべもの歲時記, 読売新聞社, p. 235, https://books.google.co.jp/books?id=aEc8AAAAIAAJ 
  5. ^ 楠本, 憲吉 (1970), たべもの歲時記, 読売新聞社, p. 235, https://books.google.co.jp/books?id=aEc8AAAAIAAJ 
  6. ^ 全国の物産と産業, 通産企画調査会, (1984), p. 22, https://books.google.co.jp/books?id=tMgCAAAAMAAJ, "朝イカの刺身は「海のそうめん」と呼ばれ食通にはこたえられない" 
  7. ^ a b 丹後の海の生き物(ウミゾウメン)”. 京都府. 2021年10月27日閲覧。
  8. ^ 海素麺?モズクじゃないんだ。”. 横浜丸魚株式会社. 2021年10月27日閲覧。
  9. ^ a b c d e f 成瀬, 宇平 (2011), 47都道府県・魚食文化百科, 丸善出版, p. 44, ISBN 4621084062 
  10. ^ a b 久保, 香菜子 (2008), 基本がきちんと身につく!お料理の教科書, 枻出版社, p. 27, ISBN 4777910733, https://books.google.co.jp/books?id=0xLH6Y5rLK8C&pg=RA1-PA27 
  11. ^ 小沼, 明美 (2013), いかの種類と旬, オールアバウト, https://books.google.co.jp/books?id=jX8BNCOJP40C&pg=PP3, "日本で一番とれるこのいかは、函館名物いかそうめんに使われます" 

関連項目




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イカそうめん」の関連用語

イカそうめんのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イカそうめんのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイカそうめん (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS