なぜゴマなのか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 00:06 UTC 版)
「開けゴマ」がなぜゴマなのか、という呪文の由来に関する話題はよく出るが、正確なところは不明である。そもそも「開けゴマ」がアラブ世界で実際に呪文として使われたことがあるのか、ということも分かっていない。またゴマという植物全体に対して開くように命じているのか、それともゴマ粒に対して命じているのかも定かでない。 これまでに以下のような説が出されている。 農民の祈り ゴマは当時、最主要な作物で収穫期になるとその鞘が成熟して開く。農民は鞘が開くのを心待ちにしており、「ゴマの実よ、早く開いておくれ」と言う希望と祈りが「開けゴマ」「オープンセサミ」と言う言葉になった。 さやがはじける様子からの連想 ゴマはアフリカ原産で乾燥に強く、中東ではどの家庭でも常備されている重要な食材である。そこでゴマが熟してさやがはじけるさまを、扉が開くことにたとえたものという説がある。 ゴマを宝物と見立てた ゴマが中東で重要な食材であったことから、ゴマを宝物に見立てたことに由来する。しかしこの説では、なぜ小麦などではいけないのかという問いに答えることができない。 言葉自体の霊的な意味 ゴマを意味するアラビア語「シムシム」のシム(sim)に「毒」という意味があり、言葉自体に霊力が宿っていると考えられた。また「シムシム」がヘブライ語のšem(神の名前)の畳語という説、「タルムード」に代表されるカバラの言葉šem-šamáįm(天国の名前)に由来するという説もある。 ゴマの神秘性 ゴマに神秘的な力が宿るという信仰による、との説がある。例えばバビロニアでは、ごま油が魔術に使われたことから、これに関連するという。 性的な隠喩 『千夜一夜物語』の「荷担ぎ屋と三人の娘の物語」の中に女性器を「さやをむいたゴマ」と表現するくだりがあり、傍証となっている。他の説はこの説を覆い隠すために提唱された可能性もあるという。
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