それ自体を目的とするオーバークロック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/16 23:46 UTC 版)
「オーバークロック」の記事における「それ自体を目的とするオーバークロック」の解説
カジュアルなオーバークロックは、コストパフォーマンスを改善する可能性が含まれているが、それとは異なり、実用性やコストパフォーマンスを一切顧みず、とにかく高クロック・高パフォーマンスでの動作の追求のみを目的としてオーバークロックを行う者がいる。マザーボード上のDC-DCコンバータに手を入れるのを手始めに、CPUやメモリは選別品を用い、冷却にはペルティエ素子を併用した液冷や炭酸ガス冷却・液体窒素冷却など、通常のパソコンには用いられない、あるいは常用する事を前提としない手法までをも用いる。 ハードなオーバークロックは、モータースポーツにも相通じる。例えば、市販自動車のタイヤは少なくとも数年は良好な状態で使えるように設計されているが、競技用車両に用いるレーシングタイヤは「そのレースだけ」あるいは「想定した周回数分だけ」要求するスペックを維持できればよいという考え方で作られている。この考えと同様に、試合に勝つことを主目的に行われるオーバークロックにおいては、その試合で必要と想定された時間だけまともに動けばよいという考えで非常に極端なチューニングが施される。 オーバークロックマニアの間では、オーバークロックした上で、単純に周波数を競う者や、あるいはオーバークロックした上でさらにベンチマークを走らせ、そのスコアを競うものなどが存在する。どちらにおいても、証拠写真であるスクリーンショットを撮ってインターネット上にアップロードして発表することで正式な記録とすることが多い。周波数を競うものでは、過去には定格166MHzのMMX Pentiumを生ビール用炭酸ガスによって冷却することで、300MHz以上で動作させたり、2009年には液体窒素冷却を用いてエンジニアリングサンプル品ではあるがPhenom IIプロセッサをシングルコアで6.6GHzまで、クアッドコアで短時間ながら6GHzまで引き上げた実例がある。 この他、手持ちの機器より高いスペックが求められるソフトウェアを使用する目的で、ソフトウェアが求める最低のスペックまでオーバークロックを行うユーザーも存在する。
※この「それ自体を目的とするオーバークロック」の解説は、「オーバークロック」の解説の一部です。
「それ自体を目的とするオーバークロック」を含む「オーバークロック」の記事については、「オーバークロック」の概要を参照ください。
- それ自体を目的とするオーバークロックのページへのリンク